2016年ももう終わりやね。早いね。怖いね。恐ろしいね。
2016年に発売されたラブコメで、読んで幸せになれたやつを振り返るよ。日常の憂鬱をいっときニヤニヤで吹き飛ばせたものだよ。野郎向けだよ。
…2017年になってちょこっと入れ替えた。表題に年を入れるなら新作を多めにすべきかなと思って。
基準
- 2016年に発売された
- このサイトでレビューした
- 幸せになれた
- 別にここに書かなかったのはダメだったということではない(シリアスものなんかは特に)
面白くても感動寄りだったり泣き寄りだったり考えさせられる系とかはちょっと違う感じ。ギャグものやぬるいラブコメが多め。要はひたすらニヤニヤできるもの。
1作者1作品として、30個ほど選んでみた。多いね、そうだね。
期待の新作(10選)
2016年に1巻が刊行されたもの。期待してます!
大原ロロン / 俺んちのメイドさん 1,2巻
今年一番印象に残った新規のいちゃラブものはこれかもしれない。クラスメートがメイドになって、家でも学校でもいちゃいちゃするという夢とロマンに溢れた漫画。タカオミとサラのウブいやりとりに頬が緩みっぱなし。
男女が表紙のラブコメにハズレ無し。2巻表紙なんて、表紙が「執事とお嬢様」でタイトルのメイドがいないという。タイトルよりもカップルを優先する姿勢が素晴らしい。
『俺んちのメイドさん』1巻感想:カップルラブコメあかん癒される超癒されるあかん
峰浪りょう / 初恋ゾンビ
謎の彼女X以来に感じる超ハイパワーな童貞力。ラブコメ好きは黙って読めばきっと幸せになれる。なおロメロ的意味でのゾンビものではなく、もっと示唆的。
久しぶりに一気読みした漫画。特に1巻の畳み掛けるような勢いは圧巻。2巻以降は普通のラブコメっぽく落ち着きながらも示唆的かつ面白い。しれっと幼馴染ものでもある。
鳴見なる / 渡くんのxxが崩壊寸前
表紙とタイトルで敬遠していたが、安売りかなんかで読んでみたらたいへん面白かった一品。腹に一物抱えたやつしか出てこない期待のラブコメサスペンス。同作者のラーメン大好き小泉さんは個人的にはうーんという感じだったが、これはとても楽しみにしている。
『渡くんのxxが崩壊寸前』1,2巻:共依存兄妹とストーカーな幼馴染と怪しい同級生…うーん期待のラブコメサスペンス
桐丘さな / 大正処女御伽話
ペシミストの主人公(イケメン)が、純粋無垢なヒロインと同棲して心絆されていく話。というとよくあるアレっぽいが、ヒロインの健気可愛さに主人公の凍りついた心が溶かされる経過が本当によく描けていて、クオリティが高い。頬緩みっぱなし。
ただ、シリアス要素も多分に含み、周囲の人間模様は必ずしもハッピーではなく、今後の展開次第ではニヤニヤできるか不安もある。悲劇の味付けだったら割と本当に死にたくなる。
赤坂アカ / かぐや様は告らせたい
タイトルで流してたけど読んでみたら面白かったシリーズ。
「相手に告らせる」を命題にしたバカバカしい頭脳戦。ひねくれているようだが、ベースにあるのは付き合う直前くらいのギリギリの駆け引きであり、案外王道。主人公二人組は歪な恋愛観でありながら、どこまでもウブな純情が根底に見え隠れするのが素敵だ。才能の無駄遣い似たものカップルでありなんだかんだニヤニヤする。
『かぐや様は告らせたい』1巻感想:二人の主人と二人の奴隷を地で行く、割とお似合いのカップルだと思う
水色すいみん / クリミナーレ!
クラス全員犯罪者予備軍というなんだか色々ギリギリな設定のラブコメ。メインヒロインはちんちくりんのストーカー。強姦魔だの放火魔だの、最悪死刑もあるような重犯罪者の中でストーカー最強というのが実にラブコメ。ラブコメにおけるヒロインのストーカー属性は最強の証。
山本アリフレッド / 理系が恋に落ちたので証明してみた。
珍しい理系バカップルのラブコメ。壁ドンして心拍数の変化を見るとか爆発しろ。
1巻は心拍数に始まり心拍数に終わったが2巻以降はもっと色々あるだろうか。表紙に看板カップル外にもなにげに幼馴染二人がいるんだがそちらも期待したい。
しかしこんなイケメンと美女しかいない研究室とか羨ましすぎる。
『理系が恋に落ちたので証明してみた。』1巻感想:愛していると証明せよ。愛の定量化に臨む理系バカップルのいちゃラブ漫画
tugeneko / 上野さんは不器用
○○さんは××式の最近よくある感じの漫画の中で異彩を放つ作品。変態女子中学生超科学ものであるが、この漫画の一番の特徴は男のほうだろう。思考回路が読めない。
ほぼ男女ツーマンセルの話なのに、いちゃラブといえるか微妙である。だって、上野さん告白したら普通に振られそうなんだもん……。長期戦だわこれ。
『上野さんは不器用』1巻感想:好きな男の子に尿を飲ませたい系女子中学生の変態的オープン片想い
イチヒ / 西王子くんに告白されました。
このタイトルの流行りは本当にいい加減にしてほしいがそれはそれとしてたいへん面白いオススメの一品。
ラブコメでは珍しく男がピンソロの1巻表紙に抜擢された、タイトルの西王子くんが一等面白い三角関係なギャグ寄りラブコメ。この作者さんは作者買いできる人で、おとなのほうかごとどちらを選ぶか悩ましいが、ラブコメ的に美味しいのはやはり男女共に生き生きしているこちらかなと(おとなのほうかごはヒロイン偏重)。
『西王子くんに告白されました。』1巻感想:王子系が主人公のラブコメ…おお、面白いよこれ!
栗井茶 / メメメメメメメメメメンヘラぁ… 1巻
表紙の色からしてすごい。普通ラブコメ漫画の表紙ってもっとこう、暖色多めでキラキラしているもんなんだが。
+チック姉さんの豚とメンヘラカップルのスピンオフ。なので厳密には新作とは言えないか。本当に独立するとは思わなんだ。基本的には+チック姉さんの豚と佐々木に関する話を抜粋した増補改訂版なのであるが、追加要素が強烈。
独立したことにより、+チック姉さん本編の10巻からは豚と佐々木の話はなくなったようだ。
『メメメメメメメメメメンヘラぁ…』1巻感想:メンヘラ地獄!ラブコメの表紙とは思えない色合い
安心のいちゃラブ系ニヤニヤもの(7選)
言葉だけで死にたくなるいちゃラブ系。
クール教信者 / おじょじょじょ 3巻
この漫画の1巻は、多分ラブコメ界隈では最上級の評価をされているはず。それくらい1巻があまりにも完成度高く綺麗過ぎたので、2巻以降は読むのが不安になるほどだったが、ラブコメとしての純度は多少落としながらも、全体的には満足のラブコメ。作者さん色々描くけれど、この手の話がピカイチやと思う。
高津カリノ / WEB版WORKING 4-5巻
ファミレスで
バカップルが爆誕し続けるだけの話なのになんでこんな面白いんだろう。元々WEBで好きに連載していたからか、キャラクターのアクが強いし展開も無理矢理目なのに気にならないパワーがある。
俺の彼女に何かようかい、ダストボックス、高津カリノは仕事しまくりやね。ほんまええ仕事したはる……。
『WEB版WORKING!!』5巻感想:足立君×村主さんの二人が好きすぎて死ぬ
森繁拓真 / となりの関くん 9巻
奇想天外な方法で授業中に遊ぶ関くんを、横井さんが時に静かに時に激しくつっこむ、ただそれだけで9巻までたどり着いた驚異的な漫画。しかも面白い。ここまでくればマンネリしそうなものだが…いや、マンネリはしているのだが、そのマンネリの仕方がうまいのである。
表紙の関くんと横井さんの距離感無茶苦茶近くなってるよね。ってか横井さん完全に関くんと一緒に遊んでいるね。
森繁拓真はあと一つブレイクすれば、「東村アキコの弟」という枕詞が取れると思うんだが……。
『となりの関くん』9巻感想:横井さん完全に関家入りしてるやろ
此ノ木よしる / 変女 5巻
男性器の名前がアホほど連呼される変態チックでヤングアニマルな漫画であるが、よくよく見てみるとウブいピュアなラブコメである。著者の前作SEやこみっく☆すたじおとくらべて、カップル感が強い気がする。
『変女』5巻感想:ち○こで繋がる純愛、365日勃起を感じる愛
いみぎむる / この美術部には問題がある! 7巻
晴れてアニメ化も果たした恋する宇佐美さん可愛い漫画。難攻不落に思われた内巻くんだが、なんだかんだ言って宇佐美のことを憎からず想っているような気がする。そろそろ付き合ってもよいのでは?この二人は付き合ってからのほうが色々な問題が起きそうだし。
『この美術部には問題がある!』7巻感想:もう君ら付き合っちゃいなよ
ソウマトウ / ギリギリアウト 4巻
ヒロインが失禁することで耳目を集めた漫画だが、普通にラブコメとして面白い。主人公のソラくんがええキャラしとる。家族も総動員でラブコメする様はとてもほっこりする。4巻はヒロイン推しが強くて、ソラくん少なめだったのがちょっと残念ではある。
『ギリギリアウト』4巻感想:まさかの大宇宙モテモテ…だがしかし全員当て馬だっ!…よね?
宮原るり / 僕らはみんな河合荘 8巻
アニメ化もした、多分今のラブコメ漫画の代表格。でもアニメはあまり売れなかったらしい…これがダメならラブコメジャンル自体がアニメじゃ厳しいんじゃ。でも君の名は。は空前の大ヒットだというし……いいや。
宇佐律の3歩進んで2歩下がるもどかしすぎる恋をニヤニヤしながら見るわけだが、周囲のアシストもあってようやく進展がありそうな感じ。この二人は付き合ってからが本番だと思うのだけれど、やっぱり付き合うまでで終わるっぽいのかな。恋愛ラボもこれもそろそろなんだろうか……だとすると寂しくなるなぁ。みそララは……。
『僕らはみんな河合荘』8巻感想:麻弓さん物語。一番割食ってるのは椎名だねこれ
日常もの(5選)
日常に潜むニヤニヤ。
春野友矢 / ディーふらぐ! 11巻
ラブコメ色の強いギャグ漫画。突出したヒロインがいないため(強いていうならすんごいおっぱいこと高尾サンダーか船堀)、結果的にハーレムっぽい感じになっているのが特徴であるが、11巻になって芦花(と妹)と同棲するというわかりやすいラブコメ展開に!芦花がついにメインヒロインとして抜きん出るのか!
と思ったがほどなくして高尾合流、やっぱり高尾が目立つのであった。ところで隕石落ちてもうすぐ一年たつよ。月一でページ数も少ないのが辛い。
コトヤマ / だがしかし 6巻
駄菓子漫画と見せかけたほたるさんエロ可愛い漫画と見せかけたラブコメ。ほたるよりはココノツとその幼馴染・サヤがラブコメ的にはおいしい……と思いきや、本巻で一気にほたるルートっぽくなってわからない感じに……マジかや。
こんちき / フルチャージ!!家電ちゃん
あくまで家電と言い張るけどどう見てもロボ子ひたすら可愛い。ラブコメといえるかは微妙だが、ぬるいラブは感じられる。3巻買ったけどまだ読んでなくて…。
『フルチャージ!! 家電ちゃん』2巻感想:機械の機械による機械のためのラダイト運動
雨隠ギド / 甘々と稲妻 7巻
男やもめの教師(子連れ)と女子高生が一緒にご飯を作って食べるという、設定だけ見ると背徳的な飯漫画。犬塚先生は普通にいい先生なのでそんな感じにもならなそうなのだが、ことりちゃんが色々とやばめな感じ。
6巻がラブコメとして想像以上に踏み込んだ反動か、7巻は特に色っぽい話は少なめ。シングルファザー奮闘記としてもけっこう面白かったり。
『甘々と稲妻』7巻感想:ラブコメ的進展はないが犬塚家がデリケート
ウダノゾミ / 田中くんはいつもけだるげ 7巻
いつの間にやら田中にひたすら癒される漫画。白石さんやら莉乃やら魅力的なヒロインも多かれど、なんだかんだ言って田中・太田のやりとりが一番安定しているのであった。
ちょっとキャラが増えすぎて、初期キャラの出番が少なめになっている気がする。
『田中くんはいつもけだるげ』7巻感想:毎回読んでるから新鮮味なくてつらい。莉乃分多め
ストーリー系ニヤニヤもの(4選)
お話を読ませつつ随所にニヤニヤをぶち込んでくるもの。
押切蓮介 / ハイスコアガール 6巻
怖かったりグロかったりやるせなかったりしないほうの押切蓮介。連載が再開されただけでも感涙もの。
『ハイスコアガール』6巻感想:オカンの前でギャルゲーという高度な拷問
衛藤ヒロユキ / 魔法陣グルグル2 6巻
往年の面白さがそのままという奇跡の続編も6巻。あのジュジュに色っぽい話というだけでなんだかもう感慨深い。
『魔法陣グルグル2』6巻感想:レイドに続いてジュジュにも色っぽい話が…感慨深さMAX
梅木泰祐 / あせびと空世界の冒険者
スチームパンクの世界観で王道のボーイ・ミーツ・ガールでありながらロボ子ものでもある、素敵な冒険物語。Kindle Unlimitedでたまたま知ったのだけれど、すげー良かったわ。この作品を知れただけでも、Kindle Unlimited始めてよかったと思った。6巻まだ読んでないけど。。。
『あせびと空世界の冒険者』恋するアンドロイドは結婚の夢を見る、正統派冒険活劇最高やね
小川麻衣子 / ひとりぼっちの地球侵略 10巻
王道のボーイ・ミーツ・ガール。なんかずるい感じのするタイトルだが、割と早々にひとりぼっちでなくなり、雰囲気先行感があるのは確か。最近は特に説明臭くもある。それでもラブコメベースである限りページをめくる手は止まらず、また続きが読みたいなぁと思うのである。
『ひとりぼっちの地球侵略』10巻感想:ひとりぼっちというにはラブがコメり過ぎている
ありがとうさようなら、最終巻(4選)
ついに最終話を迎えてしまったもの。
山本崇一朗 / ふだつきのキョーコちゃん 7巻
最終巻だったとは。
このまとめならこの作品より絶対「からかい上手の高木さん」を入れるべきなのだが、最終巻ということで。山本崇一朗の兄妹漫画……と言うとアレかもしれん。ぬるい兄妹ものラブコメとして見ていた人が多かろうし、終わり方には賛否あるだろうが、個人的にはよかったと思う。
杉戸アキラ / ボクガール 11巻
TS、あるいは男の娘漫画。主人公の瑞樹KAWAIIだけで最後まで突っ走る。ラブコメとしては幼馴染ものの側面もある。ほとんどというか完全にギャグ漫画といって差し支えないと思うが、男女の性差というデリケートな大問題を、あまり深くは突っ込まず、漫画らしくコミカルに描いた楽しい作品であった。
『ボクガール』11巻(最終巻)感想:身体の性と心の性というデリケートな話を漫画らしくまとめあげた幼馴染もの
烏丸渡 / NOT LIVES 9-10巻
そして、10巻にしてついに完結。最後の最後まで被虐っぷりを発揮しつつ、三神と天宮の互いを想う姿にニヤニヤ。うんうん、ボーイ・ミーツ・ガールはこうでないと。
『NOT LIVES』10巻(最終巻)感想:血まみれ可愛い肉体派ヒロインと頭脳派主人公の素敵なボーイ・ミーツ・ガールだったよ!
水上悟志 / スピリットサークル 6巻
トリはこれで。壮大な初恋物語。感動した。2016年一番の感動のニヤニヤ。
『スピリットサークル』6巻(最終巻)感想:考えうる最大規模の壮大な魂の純愛物語に鳥肌
雑感
振り返ると、「これまだここ1年のやつだったっけ」というのがけっこうある。その割に、数年前の作品は「これそんな前だったっけ」と思う。これが年をとるということか。
並べて見ると思うけど、やっぱり男女一組が表紙のラブコメは、少なくとも外れではないなと思う。この30選だと全体の1/3がそうだし。ラブコメじゃないのも混じっているがそれはそれとして。
ラブコメの表紙は男女一組であるべきと声を大にして言いたい。僕らはみんな河合荘も、表紙自体は律ちゃんソロだけれど、巻頭には必ずカラーの宇佐くんと律ちゃんの扉絵を描いてくれている。こっちのほうが好きだな。作品をよく表現していると思うし。人目を惹くのは表紙のほうだろうけどさ。
閑話休題。
そういやレビューしてないなーと思ったのが、僕だけがいない街とか。これは多分ミステリーかサスペンスかそういうジャンルになるだろうけれど、ラブコメとして見ても素晴らしい漫画だった。苫小牧の科学館行ってきたくらいには好きな漫画。特に2巻前後の小さな恋のメロディっぷりはラブコメ好きは例外なく悶えると思う(それだけにダメージもあるが)。
あとラブコメ界隈的には進撃の巨人なんかは本来外せないのだけれど(実際ファン同士のカップリング戦争もけっこう激しいだろう)、この方面はなんとなく取り上げづらいんだよねー……。っていうか、あまりにあちこちで語られ過ぎていて、いまさら俺がなにか言うこともねーなーと思う。
他に、焼肉店センゴク(GANMA)、ももくり(Comico)など、Web媒体でよかったのもけっこうある。並べたらよかったかもしれない。Web漫画雑誌は色々あるね。ありすぎて困る。単行本売らなきゃいけないとはいえ、わざと読みづらくするタイプのところは許されざるよ……ってか、comicoとかは単行本にすると読みづらいんじゃなかろうか。
来年もよきニヤニヤがありますように。
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