『1年A組のモンスター』1-3巻感想:令和のヒーロー教師は定時で帰る

英貴, 1年A組のモンスター 1, 2018

面白い。やー、正直最初表紙とタイトルで、イジメとか題材にした胸糞漫画かなーと思ったんだけれど、まさかの熱血(?)教師ものだった。いや違うけど。

主人公の自見太郎がカッコよすぎて惚れる。だってコイツ絶対定時に帰るんだよ。決め台詞が「それは教師の仕事ですか?」って最高過ぎんだろ。でもそうだよね、今はもう「俺の生徒に手を出すな!」なんて時代じゃないよね。割と真面目に、令和時代の教師はこうあるべきなんじゃないのか、とか思ったりする。教師の労働問題って、深刻みたいだしね。

超割り切っているにも関わらず、生徒たちは何かしら良い影響を受けているのが皮肉。いやでも、きっとそうなんだよ。子供は自ら成長するものなんだ……というような感想が出るくらい案外真っ当に教師ものの面があるので、当サイトの絶対メトリクスであるラブコメ度については期待しちゃいけない感じだと思うが、要素はある。修羅場好きと片思いフェチにはいいかもしれない。あと変な女ばかりだからその筋の方にも。

以下1-3巻感想。

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令和時代の理想的な教師像(?)

舞台は女子高。一見地味な男性教師、自見太郎と、花盛りの女子生徒たちによるキャッキャウフフな学園生活。

という感じではなく、まぁ実質的に学級崩壊している荒れたクラスが舞台の学園モノであり教師もの。さすがにここまで荒れたクラスあるのか?という感じではあるが、そこはまぁ漫画なので。

で、そんな荒れた学級を担当することになるのが、本作の主人公・自見太郎なのだが、名前と風貌からは裏腹に、非常に強烈な個性を放っている。なにしろこのお人、定時で帰る。もうこれだけヒーローだよね。決め台詞は「それ 教師の仕事ですか?」最高かよ同僚からの飲み会の誘いも平然と断る。すげぇ。ぼくにはとてもできない。

だがその代わり、業務時間は徹底的に教師である。常に生徒の学園生活を第一に考え、そのためなら命も張るくらいの、理想的な教師である。そして、自分勝手な問題児たちを実際に矯正していく。

24時間なんちゃって教師をしている同僚たちよりも、一日8時間だけ全力で教師をする自見のほうが実績を残しているというのは、中々に示唆的だと思う。

ただし、教師の仕事の範囲外(生徒のプライベートなど)と判断すればまったく関心をもたないし、また業務時間を過ぎれば冷徹な他人となり、生徒に対して優しく接することも気遣うこともなく、貼り付けたような胡散臭い笑みを浮かべることもなく、時には生徒に冷酷な言葉を投げかけることさえある。このギャップは凄まじい。

だが冷徹な姿を見せられてなお、教師モードの自見に絆された桃などは、心のどこかで自見が生粋の教師たる人間なのだと思いたがっている節があるようだ。これもまた示唆的である。捻くれ者の問題児でも…いや、そうだからこそ、教師という職業に夢を見てしまうのかもしれない。だからこそ、その高いハードルからはなんちゃってにしかならない普通の教師たちのことを尊敬できないのかもしれない。

恋愛要素もあるっちゃあるが

そんなわけで、こんなことをつらつらと考えてしまうくらいに本作はまっとうに教師ものとして面白いが故に、ラブコメ的な見方はちょっと難しいところもある。だってまぁ、まともな教師だったら生徒との恋愛なんて御法度なわけだし。なので、教師・生徒ものはいかにしてその恋愛を正当化させるかが一つ肝だと思うのだが、なにしろ自見のキャラが恋愛からかけ離れ過ぎているために、やっぱりちょっとむずかしい。

とはいえ、「生涯教師 生涯童貞」と言って憚らない自見だが、教師であることと童貞であることは別にリンクさせる必要がない。また、一つの職業を"生涯"まっとうすると決めているのも、普通のことではない。ここには、なにか特別な事情があると考えなくてはならないだろう。

実際、彼は過去に生徒の死に関わっていることが作中で明らかにされている。そしてそれは、見方によれば殺人とも受け止める人がいるようなもので、かつその事件のときのものと思われる血まみれのハンカチ……何があったんだ……。

生涯"童貞"と言っていることも、関係しているように思える。逆説的だが、この過剰な潔癖さが、ある意味ではラブコメ的である。実際、自見に救われた桃や万里は好意を抱くようになり、特に万里はその好意が恋愛的であることを自覚し、隠していない。これは恐らく、物語的にも重要な要素に思える。まぁ、桃にはドン引きされているが……。

もしかして本気で あんなクソダサキモゲロ童貞メガネのこと好きなワケ…?

英貴, 1年A組のモンスター 3, 2019

クソダサキモゲロ童貞メガネ……笑。順調に肩書が増えていく自見太郎。まぁ、それというのも、桃が自見の頬にキスしたら、ゲロ吐かれたのを根に持っているからだ。まー異性にキスしてゲロ吐かれたら実際トラウマもんだよね。いくら桃が自信過剰とはいえ、つらいもんがある。なんだかんだ、好意がないとキスなんてできないしね。

それにしても、女生徒にキスされてゲロを吐いてしまうのは、誰がどう見ても過剰反応である。それは自見が同性愛者だから……ではないだろう。といって女性嫌悪でもないだろう。自見の過去に何かがあったことには違いない。

というわけで、教師ものとして考えさせられることが多かったり、ミステリー的に謎めいた気になる要素も多かったりで、イッキ読みしてしまったでござる。続きもとても楽しみです。ヒロインズでは万里が好きです。3巻の最後で思いっきり「嫌い」と言われているが、次巻振られてしまうのか……いや、振られたくらいで諦めるような変態じゃないはずだ!という謎の期待感である。この漫画、変な女が多いから、そういうのが好きな人にも好まれていそうだ。

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