『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』1巻感想:ラブコメを飲み込んだギャグ漫画

オススメされた作品」より。……3年前に……。で、実は話は読んでいたんだよね……。内容は恋人100人できるかなのぶっ飛んだ内容なのだけれど、記事を書きづらかったのは、本作がラブコメの顔をしたギャグ漫画だからなのはあるかな、と思う。

地味にハーレムの理由づけとか完全にロジック成り立ってるんだけど、本当に真面目にラブコメだったらこれはぶっ飛びすぎてて普通できない。ギャグだからできる面は大いにあるんじゃなかろうか。ギャグというかコメディというか。コメディ90%というか

考えてみると、ちょっと珍しいかもしれない。世の中ギャグの体裁をしたラブコメは多いが、ラブコメの体裁をしたギャグはあまりない気がする。

まぁでもなんだかんだで本作を笑えるのはラブコメ好きだとも思う。以下まだ3人なのにもうヒロインの名前覚えられていない1巻感想。あほの唐音しか覚えてない。

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おすすめ文

オススメされた作品」より。これも……3年以上前に……。すまぬ……すまぬ……。

100人のヒロイン全員と結ばれる画期的な作品です。コメディ多めですけど一巻だけでもぜひ読んでみて欲しいです。

ファイさん

すっかり遅くなりましたが記事書きました。

コメ90%のラブコメ

ギャグ漫画というかコメディというか。本作は世間的にはラブコメに分類されていそうだが、その実態としてはラブコメをテーマにしたギャグ漫画というほうが良いと思う。あるいはラブコメはラブコメでもコメ90%のラブコメ。あるいはラブのコメディ。そんな感じ。雰囲気としてはヒロユキ作品っぽいかもしれない。

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この作品も積んでる……

ギャグのほうが本質に感じられるのはけっこう珍しいような気がしている。世の中ギャグっぽい振る舞いをしてるけどこれラブコメだよな、という作品が多い中で、ラブコメ的な世界観を前面にだしながら、本質的にはギャグないしコメディ、というのはあまり見ない。

しかしラブのほうも決しておざなりではなく、個人的に感心したのは、ハーレムという現代倫理への反逆が完全にロジック武装されていることだった。神の力で一目惚れ、フラれた相手は死ぬ。これはすごく馬鹿っぽくて、普通のラブコメではとても採用できないと思われる。こういう設定をできるのはやはりコメのほうが本質だからだろう。ちょっとした言葉選びとかいちいちギャグなんだよなぁ。

中村力斗, 野澤ゆき子, 君のことが大大大大好きな100人の彼女 1, 2020

このノリはギャグのノリ。あほの唐音目がボーボボみたいになってんぞ。

しかしはからずも、ハーレム系ラブコメにおける最初の難関、「ハーレムをどうやって正当化するか」を完全に達成している。さらに主人公側の嫌みの無い性格やフラれまくった悲しい過去など、論理だけではなく読者の共感という観点でも丁寧に描かれている

ラブコメとしても楽しめるよ

本作の良いところは、ラブコメとしても丁寧であることだろう。なので、ハーレム系ラブコメとして十二分に楽しめる。ヒロインがそれぞれ可愛くて魅力的だし、何より主人公が個性的な好漢だ。主人公が個性的というのは良いハーレムラブコメの条件だと思っていて、というのも、ハーレムラブコメにおいて一番出番が多いのは、他ならぬ主人公だからだ。そんな俺はハーレムラブコメの傑作はさよなら絶望先生だと思っている。

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ただその反動か、「ヒロインのほうを覚えられない」という事案が発生。これは主人公が博愛主義を貫いているからでもあるんだが、それじゃ脳の老化した俺にはキャラ名を覚えられない。ぶりっことツンデレとAlexa話法の子という雑な覚え方をしている。いや覚えている。あほの唐音は覚えている。拙者あほの唐音好き。

俺は作中内の呼び方でキャラクターを覚えるので、ヒロイン同士でバチバチ言い合いやり合いしてくれたら、多分まぁそのうち覚えられるかな。その意味では今後に期待か(リアタイで読まずに何を言うのか)。

ということで、1巻時点においてはラブコメを飲み込んだギャグ漫画という珍しい印象を受けたが、多くのギャグ漫画がラブコメに落ち着くように、本作もそのうちにそうなるんではなかろうか、という気はする。ギャグの勢いは続けるの難しいし、ラブコメこそ、すべての飲み込む真のブラックホールなので……。

ただ本作は設定的に、真面目にラブコメすることは不可能に思えるんだけれど、どうなるんだろうなぁ。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • ついに来ましたか…ラブコメ界のボーボボ…いや…ハーレム漫画の異端児
    ギャグみたいなノリと思ったら付き合わないとなんやかんやで彼女が死ぬという呪いを回避すべく
    恋太郎がとにかく彼女達に尽くすという「覚悟」
    彼女が悲しむと彼氏(恋太郎)が原因という「責任」
    そして彼女達を全力で楽しませる「努力」
    この主人公…本当に『スゴ味』があるッ!

    • 個人的には島本和彦のほうを思い出しました笑
      アオイホノオもシリアスタッチのギャグですが、では内容がシリアスではないのかというとそうでもなく
      まぁこうなった以上、彼は人生を彼女たちに捧げる以外はありませんね

  • 外野から見ているとほぼギャグばかりですが、本人たちは大真面目に恋愛しており特に主人公のハーレムへの真剣な覚悟が非常に良いです。
    あとハーレムラブコメの難点によくある、ヒロインの出番の格差やヒロイン同士のギスギスが無く、作中で【恋太郎ファミリー】とまで自称するヒロインたちの一体感があり、ヒロインたちだけでお話が回るほどの仲の良さ。
    ハーレムラブコメの前提をひっくり返した非常に斬新な設定やキャラばかりで、ギャグに負けないラブを感じる作品だと思いました。

    • 作中人物が至って真面目なのは本作の特徴の一つですね。これをシリアスでやってしまうと鼻白んでしまうので、ギャグやコメディに落とし込まれる面はあるのかもしれません。
      その切実さを最後どのように扱うかに、作者さんの個性が出るのかなぁと思います。
      この観点だと、全然違う話ですがボクガールなんかは今でも印象深い作品です。
      本作けっこう長いようなので、自分が辿り着けるのはまた時間がかかりそうですが、どのように展開するのかはおいおい見ていければなぁと思います。

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