『ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。』1巻感想:カップリング好きのおやつ

例によって例のごとく「オススメされた作品」より。この前古本市場に立ち寄った時に見かけて、そういえば勧められていたことを思い出して仕入れた。今見ると1巻はKindle Unlimitedの対象だったのでそれで読んでもよかったか。

カップル乱造系で、高津カリノ作品や月刊少女野崎くんとか好きなら一撃ヒットだろう。このサイトに来てくれる人ならみんな好きそう。読んでいて「コーヒーでも飲みたくなる漫画だな」と思って記事にそう書こうとしていたところ、後書きに「いい意味で適当で楽しい(?)おやつな作品になるといいなーと思っています」とあり、我ながら理想的な読者なのでは?と思った。コーヒーのおやつ(物理)。

以下1巻感想。ところで悪魔がメインの漫画読むのはアザゼルさん以来かもしれない。作品の性質は死ぬほど違う。

目次

2016年の作品

本作は紙媒体で仕入れた(そんでスキャンする)。2016年4月11日第2版のものだった。これ初版が2016年3月12日なんだよね。一ヶ月足らずで増刷すごい。ヒット作なのか。2016年といえばこのサイトが作られた年でもあるので、ラブコメ漫画の感想サイトを銘打っておきながら8年間このド直球のラブコメをスルーし続けたようだ。自分の目だけだと色々見逃すので、教えてもらえることは有り難い。

内容は「やったね たえちゃん、カップルが増えるよ!」でこの系統はどうしても高津カリノを思い出してしまうわけだけれど、2016年ってどうだったかなとなんとなく過去を思い出そうとしたところ、同じくカップルが増殖していく月刊少女野崎くんが2011年であったので、フレームワークとしてはやや懐かしいような印象はある。

あわせて読みたい
『月刊少女野崎くん』1-3巻感想:みこりんが可愛すぎて悔しい。主人公のリボンはもうちょい頑張れ https://www.amazon.co.jp/dp/B00B5QZ738?tag=b-m-g-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 椿いずみ, 月刊少女野崎くん 1, 2012 どちらかというと女向けの文脈かもし...
本サイトも当然取り上げている

まぁ古いとか新しいではなく、もはや定番と言えるシチュエーションだろうか。本作の作者さんが後年書くことになる「ワンルーム、日当たり普通、天使つき。」が非常に懐かしい作風であったため、作風についてそういう感じの人なのかなという偏見も俺の中にあったかもしれない。

あわせて読みたい
『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』1巻感想:平成を令和に塗り替えて 例によって「オススメされた作品」で紹介していただいたものを読んだのですが、これ……なんかすごく懐かしい……。え、これいつのだろう……20年代ってマジか。ガンガン系か…...
これも勧められて読んだ。これもタイトルに愛称あるんだろうか

「ワンルーム、日当たり普通、天使つき。」が男性向け色が強めなのに対して、本作は女性向け色がやや強め。壁ドンやギャグではない男同士のお姫様抱っこは野郎向けには出てこない。まぁでも基本的には男女の緩衝地帯にあるラブコメだと思う。この分野は本当にガンガン強いな。

何故かアスタロトについて語る

さて長々と作品の場外的なことを語ってしまったわけだが、そういう感想に至る作品というのは、内容の一つ一つというより、全体を通じての雰囲気や空気感を読ませられる作品、という傾向があるように思う。まぁ4コマベースなのはあるだろう。WORKING!!とかもそうだけど、1冊の間に数十、なんなら100を超える(昔ながらの1ページ8コマ仕様の場合)起承転結を繰り返すため、1つ1つのネタに対する読者側の感度も下がるというわけだ。100回のジャブでノックアウトするタイプの作品は、1発のストレートがないために、後で思い返すと「決め手はなんだったのか」となり、それで戦い方のスタイルや傾向といった話をしてしまう、というような感じだ。

なのでここまで延々とスタイルを語ってしまったわけだが、さすがにそれだけではアレなので、一つ印象に残ったキャラを話そうと思う。それは意外かもしれないんだが、アスタロトだ。アスタロトはまぁ単体で見れば男に嫌われる男。実際女を侍らせて同性を見下し気味なイケメンが好きな男なんてそりゃいないわけで、通常の男向けのラブコメにおいては「約束された当て馬」の立ち位置になる。

しかし本作においては恐らくフツーに愉快なカップリング仲間の一人と思われる。これを成立させるのはサルガタナスだ。サルガタナスからの暴力を伴った監視というすさまじさ、また中性的なサルガタナスの容姿、そしてそのようなサルガタナスをアスタロトがなんだかんだで好いている、という関係性の中で、純粋にカップルとしてだけではなく、アスタロトを本作における愉快なキャラクターの一員に位置づけが見出される。

まぁなんかややこしいこと書いたけど、アスタロトはカップルがいっぱい出てくるタイプのラブコメだからこそちゃんと活きるキャラなんだよなぁと思ったりなんだりした。

続きも読んでいくよ

まぁ1巻のページ数だとまだまだキャラクターは顔見せという感じなので、それぞれにたいして思うところがでてくるのは今後読み進めていってからかな、と思う。とりあえず5巻までポチってるから続きも読んでいくよ。

ところで頻尿の子がいたけど(本巻ではあまり出番がなかったけど兄貴のお相手になるのかな)、頻尿ヒロインといえばギリギリアウトを思い出す。

あわせて読みたい
『ギリギリアウト』ヒロインが失禁するとか関係なく面白いラブコメ ソウマトウ, ギリギリアウト, 第1巻 ↑自分の膀胱を信じるんだ!どんな形であれ支え合う男女は美しい。支えあってはいないか。 尿意が我慢できない呪いをかけられたヒロ...
おすすめだよ

頻尿というか失禁するがな。絵面がアレなんで人を選ぶかもしれないんだが、実は一級のボーイミーツガール系ラブコメなのでオススメ。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • おぉ…読んでいただくとはありがたき…
    この漫画はサルガタナスが結構振り回されるのでヤキモキしつつも
    幸せになれ…!!って気持ちになりますので安心して読めますよ〜
    もちろんメインヒロインのベル嬢組も推せます!

    でもやっぱり振り回すアスタロトが悪いよー!(さっちゃん推しの嘆き

    • オススメどうもです!
      個人的には一番面白みを感じたのはアスタロトとサルガタナスでした、が、まだまだ1巻時点だと皆さん顔見せで出番が分散されている感じだったので、2巻以降も引き続き読んでいきます。
      頻尿の子は頻尿以外にキャラが見えなかったのでこれからに期待です。

コメントする

目次