『闇女-ヤミカノ-』感想:メンヘラバトルロワイヤル

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作・カズミヤアキラ。2017-2018年全3巻。

キーワードはヤンデレ、兄妹、幼馴染あたりか。ちょっとオカルト。映画だったら、深夜に1.5時間くらいでサクッと見たい感じ。B級オカルトラブコメ編。

登場する女がどいつもこいつもアレなのばかり。救いはないのですか。ない。だがそんな女同士の仁義なき戦いが見ものだと思う。

メンヘラとヤンデレのバトルロワイヤル。以下全3巻ネタバレ感想。

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変な女のバーゲンセール

本作は複数のヒロインが登場し、相当数が主人公に好意を抱き、中には肉体関係をもつものもいるので、ハーレムものといえばハーレムものっぽい見方ができなくもないだろうが、まぁどちらかというと変な女どもに振り回されたという感じだろう。

なにしろ皆が皆メンヘラ・ヤンデレ気質であるし、中には殺傷力をもったタイプもいるので、最後まで主人公はよくぞ無傷で生還したなぁと思う。特にお嫁さんになりたいアラサー女は、美人なのに売れ残っているのがよくわかるアレっぷり。ってか元同棲していた男をぶっ刺したところを見ておきながら、よくもまぁ付き合えたものであるなぁ。浮気の結果といえばそうなのだが、まぁこの女じゃ逃げたくもなろうな。最後また男を見つけていたようだけれど、あまり良い未来は掴めなかったのではなかろうか。

幼馴染はメンヘラビッチで幼馴染スキーには残念無念。男なら誰でも股を開くのに主人公とだけはセックスしていないという。まぁでもそれは逆説的に主人公が特別な存在だったということかもしれない。肉便器列伝を主人公にだけは知られたくなかった、という言葉は本当なのだろう。

愛情に恵まれない家庭で育ったようで、同情に値するものの、まぁもう20だしね。自分の人生は自分でなんとかするしかない。お薬飲んで多少は改善の方向に向かっているようなので、まぁ頑張れ。でも性根は変わらないだろうし、主人公は情に絆されないように気をつけないとね。ってか主人公に彼女出来たら脅しにきそう。

メンヘラvsヤンデレの果てに

そんなメンヘラたちと取っ組み合うメインヒロインと思しき表紙の妹はヤンデレ少女。決してメジャーなジャンルではないが、愛すべきB級ラブコメ界にはヤンデレ妹が多く棲息している気がする。なので、特に違和感なく読み進めてしまった……

が、それはまぁちょっとした叙述トリックみたいなものだったようで、真の黒幕はメンヘラビッチではないほうの知られざる幼馴染。妹も友人に「兄とは結婚できない」と指摘されてブチギレる程度にはブラコンなのだが、実はあくまで兄妹愛の枠組みであったらしく、実は本作唯一の常識的な女の子だった。

……と言いたいところだが、自分の夢を叶えるために、病的なレベルで兄のことを好き過ぎる友人に兄を売るようなことをしているあたり、まぁたいがいかもしれない。だいたい自分の体使って兄に接近しようとするのをよくも許したものだ。しかも隙あらば兄の体を乗っ取って自慰を始めるようなやつに。でもちょっと頭足りない子っぽいので、深いことを考えられていなかっただけかもしれない……いやでもやっぱもうちょい頑張れよ。

そんな愉快なメンヘラとヤンデレたちに囲まれて、彼女らの生き様を小説の糧にする主人公。頑張るなぁ。最後、すべての発端である少女とわかりあい、創作の世界に居場所を与えようとしていたが、どうしてまたそこまで同情的になったのだろうか。別に病床に臥せった挙げ句心を病んだというわけでもなく、元気なときの妹やメンヘラビッチになる前の幼馴染とのやりとりを見る限り、元から相当に腹黒い天然のヤンデレタイプっぽいのに。

ということで主人公をめぐるバトルロワイヤルは誰が勝っても主人公死ぬんじゃねという状況だったのだが、最後の最後勝者なき決着ということで、まぁハッピーエンド。勝者がいないのがハッピーエンド。まぁ強いて言うなら、主人公が黒幕扱いした、演劇の変わった女が実は一番のいい子だったので、その子と良い関係になれたらよいだろうけれど、特にその後何もなさそうだ。まぁ頑張れ主人公。きっとこの後の人生でも変な女に好かれるのだろうね。

ということで、ラブコメ的には恋愛そのものよりも女同士の自分勝手な戦いが見ものであった。ヤンデレ、メンヘラ系の属性持ちなラブコメ好きなら、サクッと楽しめる作品だと思う。

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