『男子トイレで待ち合わせ』日陰者たちの変態で純情な青春

変態カップル爆誕短編集。タイトルがすべて。お付き合いまではいかないんだけどね。

mizu
水あさと, 男子トイレで待ち合わせ

↑ツッコミどころ満載の一コマ。このコマからときめきを感じる人のための漫画。

基本情報

「デンキ街の本屋さん」や「男三女四」の著者水あさとの短編集。コミティアとかで出していた同人の寄せ集めみたい。

だいたいこんな感じ

大昔デンキ街の本屋さんを読んだ時にはえらい素直なラブコメだなーと思って、そのままだった記憶があるんだけれど、男三女四はけっこうヒットだったので、短編集も読んでみたのだよ。基本的にこの人のエッセンスはこの短編で十分楽しめるんだなぁと思った。

短編集なので、表題の話はあくまで本の一部。でも表題にしているだけあって、一番いいかなぁ。内容はタイトルそのまんま。もうそれだけで食指が動いちゃうよね。そうそれで正解。クラスに馴染めず行き場を失ったぼっちの男女二人が、毎日男子トイレで逢引き。個室の壁一枚隔てて育まれる恋……いや恋といっていいのかどうかは正直微妙かもしれない。けれど、もしこの二人が同性だったら、この感じは絶対に出なかった。友情と恋情の狭間を揺らめいている感じがたまらないよね。その舞台が男子トイレってのが間抜けに変態的でいいよね。でもどこかピュアな感じ、ウブイ感じが素晴らしい。

変態カップルの話はもう一つあってそっちもよかね。他に一発で落ちな話、現代小説っぽいナンセンスな舞台設定なんだけどただただ切実さばかりが伝わってくるような話、パワーと勢いで押す話、などなど、短編集らしくカオスに盛りだくさん。デンキ街の本屋さんの番外編もあるが、デンキ街の本屋さんを読んでなくても楽しめた。作中このレズビッチというフレーズはあるけれど、百合っぽさは感じない。多分純粋に変態なのだと思われる。

総評

さっくり読めるラブコメで素晴らしいので、表紙とタイトルに心ときめく何かを感じたなら、何も考えずにポチッとしてよし。水あさとはこれで一通り楽しめるのでは?気に入ったらさらに男三女四やデンキ街の本屋さんを読むと良いんじゃないかな、と。