『照屋くんは絆されない』感想:そして世界は優しさに包まれる

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作・茶藤あんこ。2016-2017年全2巻。公式「照屋くんは絆されない - pixivコミック | 無料連載マンガ」におまけ漫画がある。単行本にのせてほしかった。

愛と優しさに満ち溢れた世界。クールぶって打ち解けようとせず一度しかない青春を棒に振りそうになっている主人公・照屋にお節介系ちんちくりんヒロイン・咲岡が救いの手を差し伸べる話。でもこの世界の住人は皆優しいので、咲岡がおらずとも皆の優しさに包まれて、そのうち照屋は絆されたのかもしれない。世界の優しさに癒やされる。

永遠に続けばいいのにとか思ったが2巻で終わる。以下全2巻感想。なにげにヒロイン黒スト。

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犬っぽい

主人公・照屋は苗字から「てれや」とからかわれるのが大嫌い、だから悪ぶってクールぶって舐められない孤高の一匹狼気取っちゃうんだぜ、でもお節介なちんちくりん女・咲岡に懐かれてなんだかんだクラスの輪に馴染んじゃうんだぜ、というお話。

まぁ照屋がクールぶろうとするのは、名前でからかわれないようにというより、一種の厨二病に近いカッコつけっぽい。それでせっかく周囲が歩み寄ってくれているのに、その好意を無下にして孤高というより孤独の道を歩み、将来なんで俺はあんなことを……なんて悔やみそうなところだが、どういうわけかこの世界の皆は拒否られても拒否られても照屋くん大好きで照屋に近づいていく。

その最たるものがヒロイン・咲岡で、ことあるごとに照屋くん照屋くんと犬のように懐いている様子が愛らしい……のだが、実際のところ犬っぽいのは照屋のほうである。皆の。なんかこう、野生ぶっているけれど家犬な感じというか。すぐ吠えるからビビられつつも、可愛らしさがにじみでている故、皆に餌なりなんなり用意されて、たまらずくいついちゃう感じ。

ああなるほど、書いていて思ったけれど、よく吠えるけど可愛い犬って感じなんだな。悪ぶっているけれど悪ぶれない感じ(まぁクラスメートが予習していないことに衝撃を受けているくらいだし)。

優しい世界

ってか多分、この世界悪い人いない。多分警察官とか道案内と欠伸が仕事だと思う。最大の事件が学校に犬が侵入とかそんな感じだと思う。優しさに溢れた世界。人の好意を無下にする照屋にも皆めげずに優しく接するし、照屋だけでなく、照屋の友人・喜秋も、テスト対策のためにクラス全員に居残り勉強してもらうなど、全体的に優しさがすごい。この世界の優しさに癒やされる。

そして、世界の優しさに癒やされている間に終わってしまった。全2巻。全2巻は短いなぁ。この手のやまなしおちなし日常系は、読むのが苦痛になる時もあるのだけれど、この漫画はけっこうしっかり読んでしまった。なんだかんだいって、照屋と咲岡のラブコメっぷりを楽しめてしまったからだろう。世界の優しさと咲岡のネバーギブアップ精神にだんだん絆されていく様子がよかったのは確か。ほっこりする。

もうちょっと続いても…

最後の最後、ほぼ告白、くらいのことがやや唐突になされるのは、やはりこの漫画はこの二人のラブコメだったからなのだろうし、その関係はまだ描ききれなかったところがあったのではないのかなぁ、なんて思う。ちょっと惜しい。

ところでこういう漫画は、男と女のどっちがメインターゲットなのかわからないのだが、咲岡にお姉ちゃん大好きな弟がいたので、どちらかというと女向けなのだろうか。シスコン野郎は野郎向けのラブコメにもちょいちょい出るが、あくまで姉弟の枠組みでお姉ちゃん大好きなシスコン弟は、野郎向けには出ないタイプのキャラだし。ツンデレ男子も野郎向けじゃ珍しいか。でも押せ押せな黒ストちんちくりんヒロインは、野郎向けとしてもいけるヒロインな気がする。

うーん……けっこうターゲット広そうなのに、全2巻か……もうちょっと続けばよかったのに……。

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