『天空の扉』1-5巻感想:面白い(そしてちょっとエロい)設定資料集のような漫画

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ドラクエ的な世界観を大真面目に、かつ皮肉っぽくエロく描かれている。いわゆるダークファンタジーに入るだろうか。なんというか、設定資料集を漫画にしたような感じ。Gと人間を混ぜあわせたようなゴブリンの印象が強すぎる。そしてなにげに幼馴染もの

以下、1-5巻までの感想。

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面白い設定資料集って感じだ

著者は個人的に絶賛積読中の魔法少女プリティ☆ベルの人。こういう人だったのかぁ。本作はドラクエ的なJRPG風の世界観を、呆れるほど現実的に考えて、それを漫画として表現しているのだが、お話というより世界観の設定を解説した資料集を読んでいる気分になる。ただその世界観が妙に作りこまれていて面白く、結果的に面白い設定資料集という感じ。

ストーリー自体は、かつての勇者が、目的を達成した後に不遇の扱いを受け、時を経て人知れず反旗を翻す感じの、それ自体はそんな珍しくもないかもだが、この漫画の場合ストーリー云々じゃなくて、漫画の中で語られる世界観がやたら凝っていて、かつ容赦がなくて面白い。全体的に、夢があるんだかないんだか

たとえば、かつて50Gとひのきのぼう一本で王様に魔王討伐を命じられた少年時代、あの頃は疑問に思わなかったが冷静に考えるとそんな話があるかという話である。それに対するツッコミは色々なところでなされているが、本書においては、かつての勇者の真の能力はそのカリスマ・統率力であり、軍を率いさせたら無敵だったので、まだ直接対決のほうがよかったとかなんとか。なるほどーって感じだけどなんだか勇者の浪漫じゃない…w

戦い方も、普通のバトル漫画っぽいバトルもあるが、一方でvs軍隊だったり、そもそも力比べはあくまでその後の交渉を有利に進めるためのものに過ぎなかったり。ファンタジーという夢溢れた少年の世界を、大人の理屈で彩るとこうなるんかなーと、ひねた大人の楽しい読み物って感じよ。元勇者とか登場シーンの半分くらいで女とセックスしてるし。

この漫画、やたら性描写多い。主人公は性的な意味で逆に襲われるし、ヒロインの幼馴染は特に意味もなくちょくちょくパンツ見せつつ普通に犯されそうになるし。が、なんだかんだで一線は保っていて、容赦のない展開が続くけれど、胸糞悪いわけではない。ほんとに犯されたらそりゃ胸糞悪いけど、そうはならんしな。いわゆる一つのサービスシーンってやつやで。

主人公とヒロインはなにげにラブコメ担当。二人共能力的にはチートなんだが、どうにも元勇者と元魔王周りのほうが100倍目立っている。しかし、主人公とヒロインには伝家の宝刀ラブコメがある。ラブコメある限りいついかなる時も主役の座に返り咲くことが可能なのである。主人公が割とモテるほうなので、ヒロインの子の嫉妬ぶりが普通に可愛い。主人公を逆レイプするくらいなら私を犯せ!と発情期の獣人の女(仲間)に鬼気迫って啖呵を切る様はとてもよかった。

ゴブリンが最高

そんなラブコメも多少気になりつつ、俺としたことがラブコメよりゴブリンの扱いにニヤニヤしてしまうこともあり。一見愛らしいマスコットキャラクターのような風貌をしたゴブリンだが、その生態は名前を言ってはいけないあの虫(以下G)と人間を混ぜたような、というか人間とGを重ねあわせてますか?とでも言いたくなるような設定。

異常な繁殖力、食欲、バカさ加減、半端な知性と、半端な情(ちゃんと家族があるってのはそういうことだろう)、時折天才が現れて集団を形成すると手に負えない、エコシステムの破壊者……最初はGをモデルにしたのかとおもいきや、読めば読むほど、これどっちかっていうと人間や、と気付かされる。翻って、現実世界でも大して違わんなと思う。ゴブリンを通して描かれているのは、紛うことなき人間の一面ではあろうよ。

そんなゴブリンたちが随所随所でドラマをしれっと繰り広げ、コマの隅で物語上何の意味もなく屠殺されている様は、勇者と魔王の織りなす壮大な世界観よりも時には気になることさえある。そして誰よりも容赦なくゴブリンを屠殺するのが、2巻の表紙にもなっている愛らしいヒロインであるところが、実にいいねぇ。

5巻まで、Kindle Unlimitedで読めたから読んだんだけど、6,7巻は有料のみ。それはいいんだが、何故か最新巻の8巻はやはりKindle Unlimitedで読めて、あれこれ6,7巻は漏れただけなんじゃないのかと思えて、もにょっている……続き気になってはいるのだけれど…うーん。

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