『大正処女御伽話』1-2巻感想:怖くなるほど健気可愛い

こんな健気に可愛いヒロイン久々

もう文句なしに可愛い。主人公・志摩珠彦のところにヒロイン・夕月が嫁ぐのだが、夕月の可愛さ半端ない。厭世的で何もかもに嫌気がさした珠彦に健気に尽くし、凍りついた心を溶かしまくり。そしてウブい。ウブ過ぎる。このカップル超ウブい

大正人処女好き過ぎという想いからつけられたらしいタイトルに相応しく、本当に綺麗な恋模様が描かれる…のだが、あまりにも綺麗過ぎてちょっと怖いなと思いながら読んでいた。以下感想。

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無茶苦茶可愛い

主人公・志摩珠彦は愛情以外の何不自由なく育てられた良家のお坊ちゃんだったが、事故で手の自由を失い、家からは厄介払いで田舎に隠居させられる。珠彦は周囲と自分に絶望し、生きながらにして死んだような生活を送るが、そこへ嫁いでくるのがヒロイン・夕月(ゆづき)。1万円で売られたらしい。

売られてきたにも関わらず、この夕月はたいへん健気可愛いい。何をする気力もなく、飯さえも食欲がないと突き放す珠彦に対して、お役に立ちたいのです、の一心で健気に尽くし、その様についに珠彦もこころ絆され、次第に明るさを取り戻していくのが、本当に見ているこっちがほっこりする。

ね、珠彦イケメンだからね、イケメン無罪ってわけじゃないけど、なんていうか、この二人は並ぶと非常に絵になるんだ。だからこう、お前恵まれすぎやろ!と思いつつ、その並びが美しいもので、いいかーなんてね、そう思う。ペシミストを自称しながら、むっつり助平なところも、可愛い。珠彦の性根の優しさを見ぬいたからこそ、夕月も心置きなくあそこまで健気にがんばれたのだろう。そうして、二人は少しずつ距離をつめて、本当の夫婦に近づいていく様が、素晴らしいやん…。

不安でしか無い

ただな、これ、あまりにも、あまりにも出来過ぎた話で…。なんだかこう、不安だった。『琴浦さん』なんかは、展開は衝撃的だけれど、ベースの人間関係、というよりカップルが非常に安定していて、そのために重いストーリーもそこまで深刻さを感じさせなかった。ところがこれはその逆で、夕月の優しさに触れて、人間の嫌な面はそこかしこに見えども、全体的にはほっこりするような、そんな作品なんだが、どうにも不安でならぬ。本当に、このまま終わるのか?そういう不安が、常につきまとう、なんだか危なげないところがある。

それは多分、主人公・珠彦の不安定さにある。なんというか、物語として、この男はもっと苦しまねばならない、というような感じがね、するんよ。いや、苦しんではいる。いるんだが、そうじゃない。なんというか、こいつはもっと苦しめる、そして大きくなれるし、なるべきだ、というような、なんだかそんな感じがする。だって、確かに珠彦は元より悪い人間ではないのだと思うが、このままだと、あまりにラッキーというか、転んだら可愛くて最高な嫁さんできて人生ハッピーでした物語になってしまう。本当に、そんな程度の話か、これ。

とか思っていたら2巻最後にもう!ああもう!あああもう!!これで次巻までおあずけって生殺しだよ!ヽ(`Д´)ノ

ところでカバー裏のおまけ漫画について

ところで。カバー裏に、おまけの大正処女だけの御伽話なるセルフパロディがある。今まで色々あったせいで百合的なものが苦手なんだけれど、この作者さんのこれなら、読めるかなぁと思った。

ところで妹の見下し顔が素敵だった

さらにところで、珠彦の妹の顔最高やな。

桐生さな, 大正処女御伽話, 第1巻
桐生さな, 大正処女御伽話, 第1巻

↑惚れるわ。これが夕月の優しさに心酔し、夕月にはデレデレに。珠彦にも険はあれどツンデレに。

…、こういう表情があるからこそ、この話は、全体的にもっと重くなるんじゃないか、と思わされたんだけどね…。これは、シリアスの顔だから…。

3巻いつ出るんかなぁ…。

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