『サーバント×サービス』役所ものなだけあってラブコメといえど心中複雑

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ガチの役所。職場を舞台にした漫画は多いが、役所ってのは珍しい。どう考えても面白みのある職場とは思えんしなぁ。しかもラブコメ。ノリ自体はいつもの高津カリノな感じでゆるくて初々しいラブコメだがさすがにWORKINGより仕事している感あり。役所だしなぁ。税金が脳裏をよぎる。心中複雑。以下人物関係に絡んで若干のネタバレを含む。

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基本情報

サーバント×サービス | ビッグガンガン | SQUARE ENIX

TVアニメ「サーバント×サービス」公式サイト

サーバント×サービス - Wikipedia

全4巻。2007年から2014年連載。作者は安定の高津カリノ。しれっとアニメ化してたのね。アニメ公式サイトのキャラ紹介のミニアニメみたいなのが楽しい。

だいたいこんな感じ

ストーリーらしいストーリーは特になく、メインである新人たちの色恋と、特に新人ではない人たちのラブコメ話に花が咲く。

とはいえ役所である。というかガチの職場である。というわけで、バイトものなWORKINGや、最近連載中の高校生な妖怪漫画と違って、年齢層が高い。新人とはいえ普通に大卒、しかも浪人だと24とか。ウブなラブコメするにはちょいと歳いってますかいね。24ってよしなが先生やまつざか先生と同い年よ。

かつ、仕事してないバイトは笑えても仕事してない公務員なんて殺意しか芽生えない。脳裏をよぎる税金。保険。年金。あー嫌なこと思い出してしまった。別にそんな稼いでないから払ってる額もしけてるけどさ。俺にとっちゃ大金よ。そんな事情だからかは知らんが、WORKINGよりも仕事してる感がある。WORKINGが仕事してないすぎるのは置いといて。そしてメインの一人チャラ男長谷部の重い一言↓。

高津カリノ, サーバント×サービス, 第1巻
高津カリノ, サーバント×サービス, 第1巻

うーんなんか納得。Wikipediaによると作者の高津カリノは実際に役所で勤務していたことがあるそうだが(臨時職員?)、恐らくこういうことが言われていたのだろうと予想。役所に怒鳴りこむ人もけっこういるらしいしねぇ…。役所の人怒ったって仕方ないのにね。自分は幸いなことに、今まで役所の人に苛つかされた経験はないのよな。だいたい丁寧に応対してくれている。

こんな感じなので色々と思うところはあるものの、ラブについてはちゃんとコメってくれる。くれるものの、やはりそこは社会人同士の関係だからか、その接し方は学生やバイト、フリーター間に比べると、一線を引いている感もあり、互いにあまり踏み込まない。そんなもんだよね。そのためなのか、角張った個性が中和されない感。だいたいこの作者の話は、酸性とアルカリ性を混ぜて中和するような感じだと思っているが、そのバランスが悪いとちょっとキツイところがある。ちょっと言い過ぎじゃないかな、とか、やり過ぎじゃないかな、と思ってフォローが微妙なことがちょいちょい。

とは言うものの、最後まで読むとなんだかんだでほっこりできるのはさすがの高津カリノである。

人物

いっぱいいるんだけどラブがコメる人たちだけ。他作品と比べると、カップルの関係がけっこう特徴的かもしれない。

長谷部ルーシー

チャラい感じだが仕事の容量はよい、なんでもそつなくこなす男長谷部と、オッパイの大きい芋女山神ルーシー(以下略)の看板カップル。チャラ男と芋女という少女漫画的カップルで、しかも周りにあまり歓迎されない感じで進むのが特徴的。そういえば、この人の作品のカップルはだいたい周囲からはヤキモキされつつ生暖かく応援されているカップルがたいていだと思うんだが、このカップルについては周りが「マジで?」っていう感じで、必ずしも歓迎していない感があり、珍しいかもしれない。

そこは、長谷部のチャラい性格もあるだろうし、年齢故にお付き合い一つとってもティーンの頃のようにはいかない、というのもあろうか。長谷部はチャラ男扱いだが、コミックで描写される限りにおいては、不器用ながら真摯に向きあおうとしているのがわかるので、逆風っぷりがちょっと可哀想でもある。

一宮兄妹と千早

この組み合わせの表明自体がちょっとネタバレになるんだが仕方ない。一宮兄妹と臨時職員、千早恵の関係。正直このトリオが一番好きだ。正直言うと1巻時点でちょいと微妙だなと思いつつ読んでいたんだが、2巻以降はこのカップルの話が本格化して、それが癒やしだった。割と危うい関係なはずなのに何故かほっこりするいつもの感じ

兄妹の関係がいいな。高津カリノの描く男はだいたいヘタレだけど、一宮兄のヘタレぶりはWORKING猫組の足立君以上かもしれない。彼女より妹を優先する、というか物事の優先順位の一位がほぼ完全に妹。しかも妹の誕生日がクリスマス・イブなので…。それでいながら、いわゆるシスコンという感じはまるでせず、ただ家族として大事に思っているという、ラブコメ界では珍しいタイプの兄。というかちゃんと彼女持ちという衝撃。前カノもいたような感じ。年齢が年齢だしなぁ。

妹の塔子は超がつくブラコンであるものの、性的な感じがまるでしないのはその性格故か。しかし兄貴に彼女いるよとは絶対に言えない空気はある。というかそういうことを考えるのを脳が拒否しているような感があり、兄に浮ついた話がまるでないのが問題と言いつつも、客観的には女の影ありまくりと友達(ちゃんといて安心する)に思われるものの、真実を告げられることはない。

そんな二人と付き合う千早は、単体ではそれほど言うべきこともないのだけれど、この変な兄妹を好き過ぎるということ自体がもはや一つの個性であり、一宮兄妹との関係をもって素敵な感じ。一宮兄と恋愛しようと思えば、その妹との関係は切っても切り離せるものではなく、ブラコン妹を持つ兄との恋愛関係の構築という、ラブコメにおいてはたいへんな難行をこなす苦難の人

総評

修羅場が見られるなら楽しんで役所に行くんだが。

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