『理系が恋に落ちたので証明してみた。』1巻感想:愛していると証明せよ。愛の定量化に臨む理系バカップルのいちゃラブ漫画

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作・山本アリフレッド。2016年1巻。

イケメンと美女しかいない研究室で繰り広げられる理系バカップルのラブコメ。理系というか情報系。シュタインズゲートのオカリン的な理由で白衣を着ているのだろうか。理系カップルってあまりないから嬉しい。

恋愛感情を定量化することで、好きを証明せんとするバカップルのいちゃラブギャグ漫画。情報系を中心にした理系ネタ満載。ラブコメのお約束を論理的に分析する滑稽さを笑う。壁ドンによる心拍回数の測定とかほんと爆発しろ。

イチャイチャしてる男女はいいものだ。早く結婚しろよと言いたくなるラブコメはいいラブコメ。以下1巻感想。

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恋心の定量化を壁ドンで実践(爆発しろ)

理系バカップル・雪村心夜と氷室菖蒲が、自分たちの恋愛感情が本物であるかを証明するために研究を始める↓。

山本アリフレッド, 理系が恋に落ちたので証明してみた。, 第1巻

壁ドンによる心拍数の変化を測定するOKバカップル爆発しろ

何が可哀想ってこの茶番に付き合わされる後輩である。おら研究室で先輩がこんな実権してたら不登校なるだ

さらに面白いのは、距離が近づいたとき心拍数が上がるのか調べる実験では(爆発しろ)、氷室の心拍数が上がるという結果が得られるのだが(爆発しろ)、彼らは結論を急ぐべきではないとする。そして、少女漫画を取り上げ、壁ドンされて赤くなっているヒロインの描写について、こう分析した。

雪村「顔のほてり 動悸 多汗 とすると考えられるのは」
氷室「若年性の更年期障害ね」
後輩(そんなわけないだろうが!!)

そこで本当に更年期障害の漫画は、多分作者が増田こうすけとかそのあたり。

お約束はお約束だからお約束

この話、昔友達が蜘蛛の糸が切れたのは重量オーバーのせいじゃないのかと、大真面目に言っていたことを思い出した。言わずと知れた、芥川龍之介の名作「蜘蛛の糸」の話である。最初は冗談で言っているんだと思っていたが、よくよく聞いてみると、どうもマジでそう思っているらしく、アホーと皆で笑っていたが、本人は終始納得できない様子だった。

その日の夕飯時、こんなアホなことがあったよと家人に話したところ、笑う母をよそに、父が不思議そうな顔をして「重要オーバーじゃないのか?」と。またまたーと思ったらどうも冗談を言っている風ではない。マジもマジ、大マジな表情である。これには俺も母も仰天。

もちろん蜘蛛の糸は、物理的な総重量が釣り糸の耐荷重量を超えると切れる危険性があるので安全係数を守りましょう、なんて話ではない。それだったら国語じゃなく物理の教科書に載せるわ。だが、そのような解釈をする人は一定数いるらしい。そして、その解釈はありえないとどうして理解できるかと言えば、それは物語のお約束だから、としか言いようがない気がする。

物語には「お約束」がある。理系的な言い方をするなら、物語の解釈にもフレーム問題が存在するといえば良いだろうか。こういうときにはこう解釈するもんだよ、というものがあるのだ。それがわかっていないと、小説は読めない。昔の小説や外国の小説が読みづらいのは、現代日本とお約束の違いが大きいからだ。お約束は小説にかぎらず、おおよそありとあらゆるもの、音楽にもあるし、劇にもあるし、映画にもあるし、漫画にもある。そしてジャンルが細分化されるのと同じように、お約束もまた細分化されていく。

壁ドンnされてドキドキするのは、更年期障害ではなく恋を表現しているのである。そう解釈しなければならない。だがそれは物理法則のように決まりきったものではなく、前提となる知識、つまり「お約束」を共有していることが求められる。

お約束を崩すのは笑いの手法。ドキドキするのは恋しているから、これはお約束だ。それを逆手に取った有名なシルバー川柳が、「恋かなと 思っていたら 不整脈」である。俳句や短歌はお約束芸の極致であるな。その発展は日本がほぼ単一の民族で構成されていることと無関係ではなかろう。

結婚しろ!

だが、自然科学にそのような「お約束」などない。あるのは「現象」と、そこから導き出される普遍的な「法則」である。「常識とは18歳までに身につけた偏見である」とはアインシュタインの言だが、理系的な考え方とはまさにこれだ。

そしてこの考え方を「恋愛」に対して愚直に実践することが実に愚かしいことは、小学生だってわかる。アインシュタインだって何も恋心を疑えと言っているわけではない。そこをあえて愛の定量化などという無謀に臨むところが一つギャグ漫画として面白いのであるが、その結果行われる実験が「壁ドンして心拍数が上がるか確かめる」「なでなでして心拍数が上がるか確かめる」「手料理にケチャップでハートを書いたらおいしくなるか確かめる」「氷室が雪村に1時間毎にくっついて甘えたくなった回数と、雪村が氷室を唐突に抱きしめたくなった回数をグラフ化して相関を調べる」OK結婚しろ

山本アリフレッド, 理系が恋に落ちたので証明してみた。, 第1巻

↑もうほんとこんな感じ。バカップルのバカップルぶりに付き合わされる後輩ちゃんほんとお疲れ様!読者の代弁者はやく結婚しろって叫びたくなるラブコメは最高やね

しかし心拍数ネタだけで1巻費やしたなぁ。2巻以降はもっといろいろなネタが楽しめるだろうか。期待のラブコメである。

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