『なまちゅー。』感想:女神行為でファン獲得に走る生放送の闇

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作・井冬良。2012-2013年。全2巻。

ニコ生(作中ではイコ生と言われている)を舞台にした珍しい漫画。近寄り難いけど闇の深そうな界隈なので、興味本位で読んでみた。

自己顕示欲の強いヒロインが、女の武器を使って1万人のコミュニティを目指す救えない話。以下感想。

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女神系ヒロイン

可愛いヒロインが、その自己顕示欲を満たすためにイコ生(モデルは当然ニコニコ生放送、通称ニコ生だろう)で1万人のコミュニティを目指すというもの。ニコ生をテーマにした漫画というのは初めてみるので、興味本位で読んでみた。

インターネットは誰が主導しているわけでもないのであるが、ここ10年くらいは、ニコニコやまとめサイト、最近大きな話題となったキュレーションサイトなどがメインストリームであったように思える。最近になってようやくちょっと落ち着いてきて、かつての雑多な感じが戻ってきたようにも思うが、この漫画が出た2012-2013年頃は、ネットがやけに画一的であるように自分には感じられた時期だった。

そんな中で、恐らく独自の文化を形成していただろうと思われるものの一つがニコニコ生放送だろうか。ネットで女神と言えば、己を晒す素人女性であるが、そういう人たちもいたことは知っている。闇の深そうな界隈だなぁと思ったもんだ。

そしてこの漫画のヒロインはそれである。ハッキリ言ってラブコメヒロインにはもっとも適さないジャンルの人である。この漫画は微妙に三角関係的なラブコメっぽい描写はあるものの、全国放送で己の恥ずかしい姿を晒してファンを得ようとする好意はまったく好ましくなく、見た目こそ可愛らしいものの、ヒロインとしての魅力という点では厳しいものがある。

最後は全裸を晒してアカウント剥奪されるという、2巻という短いボリュームの中でいくところまでいってしまった感がある。この漫画でヒロインがやったことは、カメラの前で肌を露出しただけ。それでファンが増えるという快楽が忘れられなくなってしまい、アカウント剥奪されてなお、もうやめようと制止する主人公を振り切って、私はどうしようもない構ってちゃんだから、とまだ続ける決意を新たにするという、文字に起こしてみるとまったくもって救えない話であった。

もっと健全な放送もたくさんあるんじゃなかろうかと思うが(作中でもゲーム配信の話は少し出る)、女神行為でファン獲得に走る生主という闇ばかりが描かれたのはどうなんだろうか。結局そういう界隈なんだろうか。そんなこともなかろうが。なんともようわからん世界だ。

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