『イジらないで、長瀞さん』2-5巻感想:関西人はハゲにはハゲと言わない

ナナシ, イジらないで、長瀞さん 5, 2019

結局5巻まで一気に読んでしまった。で、特装版なるものちょこちょこと出ていることに気づく。しかし1冊あたり1,000円オーバーとなると怯む……もう通常版買っちゃってるし。でもファンからお金を、ってのは理にかなっているし大事だよな。実際、この漫画好きな人はめっちゃ好きだろう。

最初こそセンパイをイジり倒す…というかイジメでは?くらいの勢いだった長瀞さんだが、二人の距離が縮まるに連れて、強烈さはなくなり、いまや立派ないちゃラブ漫画

……とはいえ、やっぱり罵倒語が多い作品なので、無理な人は無理でもあるだろうけれど、そういう人は1巻で振り落とされているだろう。でも、長瀞さんキモキモ言うけれど、関西人はほんまのハゲにはハゲ言わんの。いや長瀞さん関西人じゃないけれど。

センパイは長瀞さんのご友人ともなんだかんだで仲良くなれて、素敵リア充ライフである。羨ましいことだ。以下2-5巻感想。

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ひたすらイチャイチャしている、が

もうただただひたすらにイチャイチャしているこの二人。最初からそうだったと言えばそのとおりなんだけれど。そのイチャイチャ度がとどまるところを知らず、一緒に海行ったり弁当分け合ったりくすぐりなど過剰なスキンシップしたり恋人かよ。恋人かもしらん。センパイが他の女子としゃべるだけでもキレるし。

ただまぁ、センパイがひたすら受け身っていうのは大きな特徴やね。海で日焼け止め塗りというラブコメ定番のイベントが、長瀞さんではなくセンパイに対して発生するあたり顕著。

ただし、長瀞さんは自分以外の人間がセンパイに対して肉体的な接触をすることを好まない。イジりにしても長瀞さんに乗っかってちょっと軽口叩くくらいなら許容するが、自分から悪口言ったり言い過ぎたりするとブチギレする。

まーね、身内や親しい人間に対する軽口や悪口、自分が言う分には構わないけれど、人に言われると腹立つってのはあるよな。それはもちろん、その人に対する親しみという前提が自分の中で確立されているからだ。

なのでもちろん、共通の友人とかで、互いに親愛の情があることを前提とした間柄では、許容される言葉も多くなるだろう。実際、2巻の最初、食堂でのピリピリした最初の会話と、美術部でたむろっている時では、使える言葉にだいぶ違いがあるはずで。

センパイが長瀞さんのコミュニティに受け入れられた話

ま、あの時にセンパイは長瀞フレンズのコミュニティに受け入れられたみたいだしね。食堂の話、つまり長瀞さんがセンパイを友達に紹介した話だが、アレはピリッときたよな。

最初、少なくとも印象はよくなかったはずで、食堂で喧嘩を売るような態度だったのも、言ってしまえばセンパイが気に入らなかった、さらに言えば長瀞がセンパイなんかとどうも親しいらしい、ということが気に入らなかったからだろう。ま、そりゃそうだよな。何言われてもキョドって目も合わせず、なんにも喋らない、情けないよな。

そんなセンパイの態度に苛立ったのか、そんなセンパイを見て楽しそうな長瀞に苛立ったのか、フレンズ(ガモちゃん)がセンパイを「虫」「男としてありえない」と言い放つ。これには長瀞もブチキレて「言い過ぎでしょ」と咎めるわけだが、この時点でフレンドは「ごめんねー カレシディスっちゃって〜」とまったく気持ちのこもらない謝罪を"長瀞に"対してするだけだ。

長瀞はどう対応するかちょっと考えた後に、「そういう話じゃないんだけど」と突っぱねる↓。

ナナシ, イジらないで、長瀞さん 2, 2018

これはなかなかしんどいやりとりで、間に立たされたセンパイはストレスマックスだっただろう。ただ、自分のために友達と対立する長瀞の姿を見て、何もしないわけにはいかないとは感じたらしい。

センパイはようやく「お 俺は… 長瀞の彼氏じゃないけどさ…」と一言だけなんとか言い放ち、そして逆接の後に続く言葉はなく、その様子が大層面白かったので、フレンズは大いに笑い、「パイセンさっきはごめんねー」「ごめんねー」とようやく"センパイ"に謝罪する。

このときセンパイが主張しようとしたのは、あくまで長瀞との関係だけ、つまり長瀞とはそんないい関係じゃないから(だからお前が彼氏かよみたいなノリでそんな突っかからなくていい)、というだけで、自分への無礼に対しては何も咎めていない。さらに、彼氏ではないと否定するものの、逆にいうと彼氏ではないというだけで、関係があることは否定していない。だから、具体的にどんな関係なのか?をセンパイの「けどさ…」の後に続く言葉に期待するわけだが、驚くべきことになにも言わない。センパイ自身にも、どんな関係かわからなかったんだろう

で、そんな態度から、二人の関係性がどうやら微笑ましいものであることが察せられるし、センパイも自分に対してはどこまでも耐えるのに、長瀞のためならば少しは気張れる男らしい、ということで、センパイは受け入れられたんだろね。よかったねー。

これも一つのラブコメ浪漫

この漫画はこんな感じで、どこまでもラブコメ浪漫なのに、ちょいちょいと考えさせる生々しさがある。心理描写が丁寧でしっかりしている(長瀞さんフレンズの微妙な関係性とかね)のはもちろんだが、イジりという名の罵倒的な親愛表現の特殊さもあるだろう。いかにMな諸兄であっても、もし現実でこんな態度を取られれば、恐らくショックのほうが大きいと思われる。本来はそれくらいデリケートな話。

神視点の読者目線ならば、長瀞さんの本心も伺い知れるが、作中のセンパイのメンタルは常軌を逸しているとも思える。こんな風に接してくれる長瀞さんというヒロインがラブコメ浪漫の賜物なら、このイジりに耐えるセンパイもまたラブコメ浪漫の賜物。

センパイのボーダーラインは元からかなり低かったが、というか長瀞さんとの関係が深まるにつれて底知らずにさらに下がっていく。長瀞さんがセンパイをイジり過ぎて(やりすぎた……?)「……」(あ、まだいける)みたいな描写好きだわ。そのたびに、超サイヤ人のごとくセンパイの限界を塗り替えているのだろう……。

そうそう、二人はあくまでそのやりとりの中で関係性を深めているんだよな。だから、まったく関係性を築けていない中での第一話は、特殊だったよなぁと思うし、長瀞さんのセンパイに対する態度は特筆すべきものがあった。少なくとも長瀞さんは本来平然と人を傷つけるようなタイプではないと思うが、なにがそんなに気に入ったんだろね。色々思うところはあるけれど、読んでいけば自分の中でもっとしっくりくる言葉が見つかるだろーか、なんて思いつつ読んでいる。

立派なカップルに

長瀞さん、センパイと顔合わせれば嬉しそうに「キモキモ」言うけれど、それが長瀞さんの本心でないことは明らかだし、センパイもたいへん嬉しそうなので、いまや立派なカップルに成り果てた(どうでもいいけれどキモキモ言っていると、どうしても弱虫ペダルの御堂筋くんを思い出してしまう。だいたいそういうときの長瀞さん、手が触手的な何かになってクリーチャー化していたりするし)。

5巻には昔の女がでてきて(このタイプ、センパイは言いなりになっちゃうだろうから、恋人としては相性よくないだろうなぁ)、この後は長瀞さんと奮戦するようだ。さらに関係が深まるのか。この漫画、イチャラブループに見せかけて関係性の変化があるから面白いよね。

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