『妄想高校教員 森下』2巻感想:ラブコメ的ドン・キホーテ森下教諭に敬礼

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作・西渡槇。2014年1,2巻。

1巻に続き気持ち悪い表紙だが、読んでいる間は数え切れないほど「気持ち悪い」と呟いてしまう。妄想自体は意外とピュアなのだが、そのピュアさが逆に気持ち悪いという奇跡。そしてニヤニヤしながらこの漫画読んでる俺も多分きっと気持ち悪い。そういやこの手のギャグもニヤニヤ系の一種か…。

森下はアウトなところあれど基本的には生徒想いの先生であるところに、この漫画のギャグ漫画としてのバランス感覚を感じる。なんだかんだでうまくやってるしね。

変わらぬノリで楽しめる一方、さすがに1巻と比べるとマンネリではある。以下2巻感想。

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滑稽だが見事

今回も森下先生は実に気持ち悪い。キモいとかじゃなくて気持ち悪い。勝手に妄想して、生徒にプロポーズの準備を整えて雨の中公園の中で待ってるって最高だなこのオッサン。そこに至るまでの流れが綺麗で素敵なんだまた。妄想とはいえあそこまで振る舞えて、床屋にからかわれるくらいに顔つきまで少年に戻り若返るなら、このオッサンは長生きするよ。ちょっと素敵ですらある。

チアガールの衣装を着せようとして、生徒の応援用学ランを持って帰るとかはさすがにかなりアウトだと思うが(森下先生のことは別にしてもアレよく問題にならんな)、森下先生の妄想自体はけっこうピュアなんだけれど、そのピュアさが逆に気持ち悪いというのが実にいい

その一方通行な誇大妄想に振り回される様は「滑稽」という他なく、さながら現代のラブコメ病に侵されたドン・キホーテである。

だがここまで妄想に忠実に行動できるのは、いっそ清々しくさえある。漫画的ではあるものの、結果的には案外功を奏してもいる。本巻でも特に気持ち悪い、前述の妄想プロポーズ回でも、あそこまで準備を整え、雨の中で待ち焦がれたからこそ、次の日に登校してきた不登校児に声をかけられて、「よかった」と涙を流せたのであり、それは確かに生徒の心に多少なりとも響くものがあったようだ。それは傍から見れば、一人の生徒想いな良き教諭。だからこそ生徒人気も実は高い。

不良に絡まれた生徒を助けたりもしているし、結果論とはいえそこそこ人を救っていることが、笑えると同時にちょっとほっこりし、気持ち悪いだけではない清涼感を読者にもたらしている。

なんだかんだモテてるね

妄想しなければそれなりにハイスペックなナイスミドル。性格もいい。森下先生は、妄想に振り回されることあれど、人をやっかんだりもしない。たとえばイケメンモテ男の保険医がやってきた時、森下先生はほぼ蚊帳の外でストーリーが進むが、この件について森下先生はほぼノーコメント。恐らく本当に思うところがないのだろう。特に嫉妬するとかそういうことはない。やはりイケメンはモテるなくらいのことは思っているかもしれないが、だからどうということはない。

森下先生はビジュアル系のイケメンではないが、筋骨たくましいナイスミドルなので、女子高生人気は見劣りしてもこちらのほうが好きだという人もけっこういるんじゃなかろうか。

実際なんだかんだ言ってモテてもいる。、類はなんとやらなのか、森下先生に好意を抱くのは、忍であったり常軌を逸したストーカーであったり自意識過剰な不細工であったりと、イロモノばかりであるが。また、妄想ばかりしている森下先生は、いざ現実に好意を向けられるとそれをスルーするという能力があるようだ。その好意の向けられ方が、森下先生の妄想の傾向とはベクトルが別過ぎて感知できないというのもあろうが。そんな感じで、これまでにも何人かのガチな好意を華麗にかわしてきたのかもしれない。

かなり気持ち悪い妄想を繰り返しながらも、総合すると笑えるし、愉快な男だなと思う。

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