『氷の女王、ときめくる』感想:幼馴染クーデレもの、病的なデレ方が魅力

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作・佐野タカシ。2014年1巻、2015年2巻。イケてる2人の人やね。

アイドルもの、幼馴染もの、クーデレもの。いちゃラブに分類していいと思うけど、ヒロインがひたすらデレるだけなので、正直カップル感はない。ラブコメというよりはエロコメ的。実際一人遊びなど描写があからさまにエロい。謎に百合キャラもいるがエロスの一環としてという感じ。何もないコマで普通にパンチラ。

以下全2巻感想。

デレ方が病的

高校で幼馴染と再会したアイドルが、周囲にはクールで無愛想だけれど実は幼馴染大好き過ぎて、名前で呼ばれるだけで身体が火照って疼いて止まらない!という内容。

そんなヒロインにして主人公のつばさが、ひたすら幼馴染の玄太にデレる姿が可愛い…のであるが、そのデレ方がなかなか常軌を逸しており、身体に触れられたり名前で呼ばれたりするだけで、顔は上気し身体は火照り、もうアソコがキュンキュンして止まらなくなって校内だろうがこれから自己紹介だろうがトイレに駆け込み自分を慰めるという、もはや病的なデレ方

恋に恋して恋にすがるヒロイン

アイドルになったことも、玄太に見つけてもらうためであり、また玄太と一緒にいたいからいきなりメンバーと何の相談もなくアイドルをやめようとしたり、かと思えば玄太がアイドルのつばさをけっこう楽しみにしていることを知ったら引退を即撤回したりなど、アイドルとしてファンや世話んなった周囲の人のことに対するとか配慮とか一切なし、プロ意識の欠片も見られないその姿はかなり尖っている。

文化祭で、玄太の作ったステージでどうしてもやりたいからと、張り切ってトリを飾ろうとしていたクラスメートの出番を横からかっさらっていったのは、個人的にはかなり酷いなと思う。委員の玄太から後でフォローがあったことは示唆され、かっさらわれた当人らもそれで納得しているようだから、結果オーライなのだが…。

そこまで玄太好き好きなのに、いったい何故そこまで玄太に執着するのかはよくわからない。自分の置かれた冷たい環境から逃避するために、優しかった幼馴染の玄太という存在にすがり、それは妄想の中でドンドン肥大化していったのだろうか。つばさは玄太を好きだといいながら、今の玄太のことをどれだけ見ているやら。

この超がつくほどの自分勝手さのぶっ飛ぶ具合が面白く、また魅力的なヒロインであった。物語は伝記じゃないので、一人の人間が正しくある姿よりも、間違っているけれどもうお前はそれでいいよっていう姿のほうが魅力的であったりする。特にラブコメは、そういう未熟さや危うさが映えるジャンルである。周囲を一切顧みず、恋に恋して、恋にすがるつばさは、間違えているけれど、確かに魅力的。

最終的に成長する、が……

……が、最終的にはアイドルの仕事にも誇りをもって取り組むようになる。別に何かきっかけがあったということもないと思うが、強いて言えば、色々な妄想が現実になって満たされてきたので、心に余裕が出てきたということかもしれない。

ただ、その姿は人間的には明らかに成長したと言えるのだけれど、そういう成熟した姿がヒロインとしての魅力に繋がるかというと必ずしもそうではない。単体のヒロインとしての魅力は最終話で削がれたと思う。

成熟の過程において、玄太と真に互いを思いやるカップルとして成長していると、カップリングが映えるので、ラブコメとして大いにアリアリなんだが、色々な話がつっこまれた割に、玄太とつばさが互いの本当の姿を理解しその仲を深めるような話はあまりなかったので、カップルものとしては微妙なまま終わってしまった。

結果として、クーデレヒロインのデレる姿がエロ可愛いエロコメという感じ。幼馴染ものとして深めてほしかった…。

それにしても、校内でもアイドル名の「シヴァ」とか「イフリート」とか「ラムウ」とか呼んだり呼ばれたりするのはもはや罰ゲームの域に達しているな。

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