『姫騎士がクラスメート!(漫画)』1巻感想:成人向けじゃダメなのかしら

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原作・EKZのコミカライズ作品……なのだが、原作がR-18なのでリンクは割愛。

なぜR-18作品を一般向けでコミカライズするのだろう?原作の濡れ場をかなり控えめにしているとはいえ、明らかにそれとわかる描写も多々あり、これはもうエロ漫画やろ(しかしエロ漫画として見るといわゆる「実用性」は低いだろう)、というのが正直な感想なのであるが、一応一般向けらしいのでレビュー。

以下漫画版1巻感想。

安心の異世界転生俺TUEEEROS

いわゆる異世界転生俺TUEEEEモノ。俺TUEEEEって言葉好き。いまやWeb小説界隈じゃ大人気のジャンルですな。しかもその能力が、自身の体液をもって女性を隷属させるという、思春期男子の妄想大爆発を具現化した、いっそ清々しい作品である。つまりエロス。というかR-18。Hシーン満載のガッツリエロ小説なのだが、何故か一般向けとしてコミカライズされた。

なお、原作小説においては、話の途中でこんな但書が↓。

※本作品では、女性キャラによる主人公の裏切り、寝取られなどは発生しません。ご安心ください。

作者直々にこんなん書かれたらレビューサイトは書くことないよ。いや感想書くけども。レビューなんてのはだいたい何の役にもたたないものだが、それでも唯一人の助けになるところといえば、その作品に含まれる「毒」の成分を教えてくれるところだ。たとえばエログロ、人死に、バッドエンドなどは、一般的にもわかりやすい毒である。どういう毒があるのか予め知っておきたい、という需要は確かにあり、レビューサイトはその需要を汲む役割の一端を担っている。

エンターテイメントとしてのラブコメにおいて、寝取られの有無は大きなことであるが、しかしまさか作者直々に……。毒は時に人を殺す劇物だが物語を面白くするエッセンスでもある。それを自ら封じて高らかに宣言し、安心を提供しようというその姿勢は、「芸術品」ではなく「実用品」を作っているのだという一種のプロ意識だろうか。うむー。っていうか、裏切りもあかんのね。

成人向けじゃダメなのか

話が話なので、内容はエロい。毎話けっこうなエロス。バトルが始まったといえば、体液を瞬間移動させて敵の顔面にぶつけて倒すなど、どこぞのバカエロゲーのような展開が続き笑わせてくれる……のだが、描き方が妙にシリアスチックなところがあり、といって監獄学園のようにシリアスをギャグまで昇華できているわけでもない。原作はエロ小説だから濡れ場を挿入することで盛り上げるが、本作は一応全年齢向けであるので、肝心なところをぼかしており、どうにも中途半端な印象が拭えない。

元がR-18なだけに、画の問題で成人向けに出来ないから一般向けにしたのでは…とさえちょっと思ってしまった。マーケット規模は当然一般向けのほうが大きいにしても、この手の漫画は相当ニッチ受け狙いだろうし、一般向けにするメリットはそんなに大きくないと思うがなぁ。作品内容的にも、R-18作品にしたほうが色々やりやすいと思う……というか、性器を直接描いてないだけで内容が明らかにそれなので、こういう作品を一般向けとして並べるのは、うるさい人たちの存在を考えると槍玉に挙げられそうでちょっと怖い。

キャラは皆可愛いし主人公イケメン

しかしキャラクターは皆テンプレながらもとても可愛い。顔にかけられてやられる高位魔族ロリババァ・パルむっちゃ可愛い。また、俺TUEEE作品は、俺TUEEEながらもいかに俺TUEEEに制限をかけるかが肝であるが、本作では端折られるものの原作では「隷属させられる人数に制限がある」「主人公のスキルレベルが隷属したキャラにも影響する」など、けっこう考えられており、本作の設定もそれに準ずると思われる。

とはいえ体液を瞬間移動させて顔面にぶつけて勝利など無茶苦茶できるうえ、原作では魔法で性力回復などもやってのけているので、制限をかけながらも必殺のチート技は使い放題という安心の俺TUEEE。同時に作者お墨付き「安心のハーレム」作品でもある。

バリバリのエンタメエロ小説を全年齢向けでコミカライズとは、漫画家さんも無茶ぶりされたなぁと思うが、全体的にエロ分強めの中二ラノベっぽく仕上げた模様。細かいところや、小説らしい言葉のやりとりを通じて互いの真意を推し量る情報戦(そういうシーンもなにげにある)などはざっくり端折り、絵的に映えるところを抜粋していった感じだ。

そして主人公の小田森がイケメン細マッチョ。頭も中々切れるようであるし、なぜこれで元の世界で灰色の青春を送っていたのか不思議である。性格もゲスだが悪くはない。身を呈して仲間を助けに行くなど情も厚い。いかに性根がコミュ障だったとしても、それなりに充足した日々を過ごせそうなものである。不遇の青春だったのだとすれば、それは周囲の環境が劣悪だったのではないだろうか、などとそんなところをマジメにツッコムのも野暮か。

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