『共学高校のゲンジツ』7巻(最終巻)感想:フラグブレイクの果てに

Amazon

作・さぬいゆう、伊丹澄一。2017年7巻にて完結。2012年1巻なので約5年か。一発ネタに近いなぁという第一印象からすると、よく続いたなぁと思う。

まーなんのかんのいってもラブコメだしね。フラグブレイク漫画だけど。アレよな、最後気になるのは、結局保延と尼妻どっちなんだよ?っていうところよな。でもこの漫画のコンセプト的に、そこんところが如何ともしがたいのがなんともなぁ。

一応それぞれの関係で、気になるところはそれなりの予感をさせて終わる感じ…だろうか。出番ないのもいるけど。

以下7巻感想。

スポンサーリンク

ハッキリできないラブコメ

この漫画出てからもう5年かぁ。月日が経つのは早いもんやね。共学高校のゲンジツという名の非ゲンジツ。なんだかんだ言って彼ら彼女ら相当青春してるよねぇ。

この漫画は決してラブコメ漫画のセオリーなんて現実には起きないよね、っていう漫画ではなくて、ラブコメ漫画のフラグ法則が適用されつつも、登場人物たちが尽くそれらのフラグをベッキべきに折っていくというフラグブレイク漫画で、まぁ捻くれてはいるけれど、やっぱりラブコメなわけですわ。だからこそ、7巻なんてそこそこの長さも続けられたのだと思うし。

とはいえ、さすがにもう限界かしら。なにしろフラグブレイク漫画なので、フラグ成立すると世界観が破壊される。ラブコメとしては自縄自縛。やるとすれば、最後の最後だろうな。

で、最後の最後に微妙に成立させたのは、内浦と大江戸であった。大江戸の母を綺麗で羨ましいと溢した内浦に対して

「なら内浦、心しておきなさい。
つまり、私は将来こうなるんだからね。」

ラブコメ的には間接的な告白だ。もっとも、これに対して内浦がどういう反応をしたのかは描かれていない。だが、いつもなら言葉自体内浦が聞いていないか、読者がなんでやねんとツッコミたくなるような、間違えた解釈をするところだ。そういう描写がされていないというだけで、この漫画的には大きな進展と言える。やはり最後でないとできないことだったと思う。逆に言うと、最後でもこれが精一杯だったと言えるのかもしれない。

気になる草野と保延と尼妻は

一方、一番気になる草野と保延・尼妻であるが……尼妻については特にこれといった話はなく、そして保延については、最終話の締めを担当するものの……こちらはいつもどおりのフラグブレイクで終わり。いや、むしろマジで草野は保延に対してなんとも思ってないんじゃないのか、くらいのフラグブレイクであった。

うむ……まぁそういうこったな。内浦と大江戸は、フラグブレイクかましながらも少しずつその仲を深めていた。一方で、草野と保延は最初っから最後まで特に進展らしい進展はまったくなく。保延は可愛いけれど、保延が可愛かっただけとも言える。そして、最終巻なのにまったく触れられなかった奈良木と新里。カップルとしての出来が、如実に表れたんではなかろうか。

フラグブレイクからくるカップル成立というどんでん返しを、ちょっと期待していたんだけれど。なかったか。男キャラの差かもなぁ。草野と内浦だったら、内浦のほうが断然いいキャラしてたものなぁ。もしくは、ヘタに三角関係築いちゃったから、決着つけられなかったか。

らしく終わったと言えば、そうかもしれない。ただまぁ、せっかく7巻も続いたのだから、フラグブレイクの縛りのさらに上をいってほしかったなぁと思う。

ところで好きなネタは勘違い生徒会長♀の痛々しい言動と、それをフォローするやれやれ系の♂のやりとりだった。この王道から少し外すくらいの感じが一番楽しめたかも。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です