『ちまちま』感想:もどかしさを楽しめ

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同著者の「まちまち」とは逆に、タイトルどおりちんまりした女の子と、背の高い男の子のコントラストが眩しい初恋物語。最初で最後の恋であってほしい。本当にちまちましているのは背丈じゃない。そんな話。

実にかがみふみを。なんだがもどかしさは随一かもしれない。以下感想。

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超もどかしい

もどかしさはラブコメの定番の一つであるけれど、それにしてもこの漫画のもどかしさはちょっと珍しい。主人公の女の子・千村はタイトルどおりのちまちまっぷりであるが、その真のちまちまさは背丈ではない。性格そのもの。

本人曰く、要領が悪い。多分、時の進み方が普通の人よりもワンテンポかツーテンポくらい遅い。そしてそれは、恋愛についてもそのようなのだ。

気になる男の子・黒川がいて、その子は千村と違って非常に背丈が大きいけれど、性格的には千村と似たようなところがある。どうも、そういうところでお互い惹かれ合ったのだろう。見た目は真反対であるけれど、性格的には近い。もう、手を握るだけで大騒ぎだ↓。

かがみふみを, ちまちま
かがみふみを, ちまちま

ビジュアル的には背丈の差が目立つけれど、正直そこはそんなに重要でもない。男のほうが背が低い「まちまち」では重要ポイントだったけれど、程度問題はあれど男のほうがでかいというのは普通だからねぇ。千村も別に自分の身体が小さいことそのものについては、別にコンプレックスに感じている様子はないし。身体の小ささが千村の色々な小ささというか、成長の遅さにリンクしているとはいえ。

それよりも見るべきは、千村はもちろんでっかい男子・黒川も同じような反応を示していることだ。体格差があるだけで、似たもの同士なんだね。

そんな似たもの同士でちまちました二人が恋愛するとどうなるか、それはもう、傍から見ているともどかしさのあまりムズムズしてくる。

二人だけのペースを見つけるまで

周りから見ると、とてもとてもゆっくりしているうえに、二人は互いに想い合いながら、恋人でもないのにと、何かしら口実がないと一緒に帰ることもできない。一緒に出かけたり、手を繋いだりしているのだから、互いの気持ちは明白だと思うし、またそれぞれ意識してはいるのだけれど、行動に移せない。

一方で、千村の友達はけっこう進んでいて、それなりに長く付き合っていそうな彼氏ともよろしくやっている。それが普通なのだろうかと千村は思い、彼女たちの姿と今の自分の姿を重ね合わせることができず、どうしてよいのかわからなくなってくる。

黒川は千村ほど奥手ではないけれど、ちょうどいい距離感をさっと把握できるような器用な男でもない。ただ、気持ちは通じ合っているはずなのに、今一歩を踏み出せない状況で、このままじゃまずいという危機感、焦燥感だけがある。そんな焦りが彼を突き動かすが……。

、ちまちました千村に焦った行動は禁物なのだけれど、そうすることでようやく事態が動き出したのは確か。あわせて、そんな二人をどうにも放っておけない友人のアシストもあり、二人は少しずつ、互いのことを理解していき、自分たちだけのペースを見つけるわけだな。

こういう過程を、じわじわじっくり、描かれていて、もどかしいやら、むずがゆいやら。自分にゃちょっと無理だけど、素敵な恋愛の形やなぁと、そんな風に思えるウブウブしいカップルの、本当にちまちまとした話でした。アシストしたくなる友人の気持ちもわかるわ。世界のどこかに、こういうカップルもいてほしいよな。

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