『ぼくたちは勉強ができない』11巻感想:このままいけば文乃かなぁ

筒井大志, ぼくたちは勉強ができない 11, 2019

この世界一ハッピーな受験漫画もついに11巻。君らほんとに受験する気あるの?というくらいのラブコメ濃度。

前巻に引き続き文乃っちのシリアスな家庭内事情編が続くわけだが、本作としてはやけに重たいこの話、どうなることかと見ていたけれど、思ったほどは長引かず、程よい幕引きといったところ。

とはいえ、複雑な家庭環境を鑑みても、テーマ性のある作品なだけに、やっぱり文乃っちがラブコメ的には一歩リードしているよなぁと思う。

うるかもまだもうちょっと頑張るみたいだが、ハンデ背負っているよなぁ。リズはそろそろ気持ち自覚しないと、なんかもういいお友達ラインに入りつつあるような……。以下11巻感想。

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家庭に踏み込んだのは強いよね

今回もドタバタと愉快な漫画であったが、若干異彩を放っていたのは、やはり前巻から続く文乃っちの複雑な親娘関係であろう。このすれ違い続けてきた親娘が仲を取り戻す話は、本作の中でもやや重ため。ひょっとしたら大長編きちゃうのか?とちょっと危惧したのだが、長くなりすぎない程よい幕引きで安堵。

やー、だってこの話、長くなればなるほどもう文乃っちで決まりになってしまうし。今回くらいの長さでも、文乃っちを陰ながら支えた成幸は、普通だったら恋人当確ライン……というか漫画によってはこのままゴールインのレベル。それくらい家族関係の話っていうのはどうしても重たくなってしまうし、それだけにうまくいった時の影響力は計り知れない。距離めっちゃ近なったよなぁ二人。

リズとうるかもいるけれど

リズの存在感がだいぶ薄くなってしまったなーと感じてしまったのだけれど、それは文乃っちとの相対的なものもあるだろう。ってかリズは才能と現時点での興味がベクトル不一致というだけで、その数学的素養はどこにいっても役立つ(ついでに言えば心理学はかなり数学が使える部類だろう)し、なんといっても周りにいるのが基本応援団なので、実はけっこう恵まれているんだよなぁ。

まぁそれを言ったら、才能と興味が一致している、という点で図抜けて恵まれているのはうるかなのだけれども。これでそのうえ、幼馴染と恋愛成就って、人生の覇者かよ、っていう。

素晴らしい才能と生涯のパートナーという究極の選択

といっても、この人は恵まれすぎたが故に、海外留学の話が出て、そのために青春を捧げなくてはいけなくなっているかもしれない事態にはなっている。これもまた皮肉。

俺自身、変わったなぁと思うのは、以前の俺ならば、うるかは恋愛より自身の才能を活かす道を選ぶべきだ、と思ったに違いないのだけれど、今の俺は必ずしもそんな風には思わない、感じられないことだ。

素晴らしい人生という観点からすると、才能を活かすことはもちろん大きな歓びには違いないが、恐らく素敵なパートナーを見つけることはそれよりも影響力がある。もしも「運命の人」なんてものが本当に存在するとして、素晴らしい才能というギフトと素敵なパートナー、どちらかが確実に手に入るとするならば、ギフトよりパートナーを選ぶ人は実際多いのではなかろうか。歳を取れば取るほど、その傾向は強まる気がする。

現実には高校時分の恋が一生モノだなんて例は非常に稀なわけで、そんな浮ついたものよりは才能を活かす道を選ぶほうが懸命である。が、それはある種の確率論に基づいた経験則みたいなものだ。

しかし、まぁこれはラブコメだから、ということは置いておいても、成幸もうるかも非常に良い性格をしているので、それこそ内発的な要因で夫婦仲が壊れるようなことは非常に考えづらくて、結ばれれば生涯仲睦まじく暮らすことができるだろうから、そうすると、まぁ読者の神視点ではあるけれど、一生モノの恋になったとしてもおかしくないわけだ。

すると、うるかは今まさに究極の選択を迫られている、と言えるかもしれない。まぁもちろん、意思次第では両立は不可能ではないことだけれど、それはライバル不在ならば、の話で、今そこにいる同年代の少女たちを押しのけて、将来の自分との約束を誓わせる、というのはかなりハードル高いよなぁ、と思う。成幸は良くも悪くも恋に燃え上がるタイプではないし(まぁそういうタイプはこの手のハーレム系に分類されるラブコメ漫画の主人公にはそもそもなれないし、当たり前といえば当たり前)。成幸は約束は律儀に守るタイプだろうから、約束さえしてしまえば強いだろうけれど、ここまで他の子と関係作ってしまうとなぁ。

とはいえ、うるかの性格上、その後もなにか良い出会いはありそうなので、どうあっても幸せを掴みそうでしかないこの子は、やはり本作でもダントツで恵まれた子だよなぁと思われ、そうすると、メタ的にはやっぱりうるかエンドってことはないんじゃなかろーか、などと思う小賢しい三十路過ぎ、なんだかんだで次巻を楽しみに待つのであった。

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