『ぼくたちは勉強ができない』1-3巻感想:天才も凡人も理系も文系も恋はするとかしないとか

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作・筒井大志。2017年1-3巻。2018年3月現在、5巻まで出ている。ぼく勉って略すん?

読んでいて安心感のあるラブコメ。ジャンプ系のラブコメらしくヒロインいっぱい。トリプルヒロイン。

タイトルはこれだが、劣等生が集まっているわけではなく、その逆で、尖った天才たちと努力の秀才による物語。才能と努力は、人間にとって永遠のテーマでもある。その人の歩んできた道筋によって、本作の感じ方は大きく違うだろうなぁと思う。俺ももしこの作品を10代の時に読んでいたら、全然違う感想を抱いたろうな。才能と努力のほか、理系と文系の溝というこれまた現代の一大テーマ。これを漫画で扱っているのは珍しいかも。

以下1-3巻感想。

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安心感ある

どこかで見た名前やなーと思ったら、シュタインズ・ゲートで助手ルートのラブコメなコミカライズを描いていた作者さんや。あとニセコイの不思議なスピンオフも描いていたよね。作者ブログは更新が止まっているようだ(「筒井大志のまったりブログ」Twitterは呟いている模様)。

総じて、安心感のあるラブコメを描く人やなぁという印象だった。読んでいて不快にならない。主人公もヒロインも、嫌味がなくて、我を押し付けるようなこともなくて、周囲含めて世界が平和。平和な世界での平和な葛藤。

本作もそう。トリプルヒロインという豪華なハーレム系に類されるようなラブコメであるけれど、主人公が頑張りやさんなので、まずハーレム系の主人公にありがちなイライラがないのは大きい(やはり朴念仁属性は標準装備しているが)。主人公もヒロインたちも、「進学」という目標に向かって進んでいる姿が好ましいのだろうなぁ。

才能と興味のベクトル不一致

このタイトルで進学が目標となると、さぞ劣等生が集まっているのかと思いきや、そうではなく、理系に才をもつ人間が文系に、文系に才をもつ人間が理系に、というやや変化球。そして才のなさを努力でカバーしてなんとか秀才と言えるくらいになった主人公が、そんな迷える天才たちをフォローする構成。天才が都合よくみんな美少女なのはラブコメ浪漫 笑。

本作ほど極端でなくても、できるが故に「わからないということがわからない」は、現実世界でもよくある話(学校においては、主教科よりむしろ芸術や体育の副教科で深刻じゃなかろうか)。才がないからこそ、他人の「わからない」を理解できて、心から共感し、そのために尽くせる主人公は、ティーチングの才がある、と言えるのかもしれない。

とはいえ、努力では超えられない壁があることもまた事実。その意味で、自分の才を活かさないヒロインたちに対して、勿体無いなと感じるのはまぁ当然だろう。作中でも、自分の才を活かすべきだ、という主人公たちに対するアンチテーゼ的なポジションの教師も存在する。

まーこの辺はもう、永遠のテーマよな。自分の興味と才能が一致しない、なんてのもやっぱり現実世界じゃよくある話で。特にそれでつらい思いをした経験があって、ヒロインたちの行動に歯痒い思いをしている読者もけっこういるんじゃなかろうか。あるいは、共感するだろうか。

※受験なんて大昔のことなんで忘れていたが、日本の国立大学は理系でも文系科目が、文系でも理系科目が受験科目に入っていて、しかもそれなりのウェートを占めているので(センター足切りが発動することもあるし)、彼女たちの場合、たとえ才を活かした進路を選んでも、日本の最高学府に入るのは難しいかもしれない。センター突破して、得意科目でほぼ満点取れたらいけるだろうか。すると、一番東大に入れる可能性が高いのは主人公なのかも。良くも悪くも、これが日本の教育制度である。まぁ今時の天才はそもそも日本の大学に行かないのかもしれんが。

俺としては、好きなことやったらええわ、と思う。文系にせよ理系にせよ、学業に邁進する限りは、潰しがきくしな(分野によって差はあれど…)。これがアーティストやアスリート目指してます、ってなると話は別なんだけれど。学業は芸術やスポーツと違って、年齢による不利はあまりないし、なにかしらその努力を活かせる仕事はあるものなので、好きにすりゃいいと思うんだわ。

そらまぁ、才能活かせたらそれに越したことはないけどさ。ただ、一つの能力だけで完結できるほど世界は単純ではないし、能力の活かし方なんてそれこそ色々なやり方があるものなので、決められた枠組みの中で進まなくとも、自分の信じる道を歩めば、何かしら活路はあるもんだと思う。

たとえば理系に才があるが、心理学が学びたくて文系を志すリズは、統計学を卒なくこなせるのは大きな大きなアドバンテージとなるだろう(リズはむしろ英語で苦労するだろうんなぁ)。逆に、文系に才があるが、天文学を学びたくて理系を志す文乃は、天文の世界を人々に紡ぐ力がありそうに思う。人間にとって物語は本当に大切なんだよ(一番大切だと思っているよ)。

そもそも、理系と文系で分けること自体がナンセンスだ、なんてことを、文系科目が好きだったけれど理系の道を歩んだ俺なんかは思うのであった。文系と理系の話でよく出てくる、こんな本のリンク貼っちゃう。俺は読んでないけどな 笑。

理系でも文系でも恋愛はする

さて、ラブコメ漫画にも関わらず、ここまで恋愛模様についてほとんどコメントしていないわけだが、それは恋愛以外に語れることが多いということで、変な話、良いラブコメの証であると思う。恋愛を主軸にするよりも、世界観に深みが出るからだろうか。

まぁ理系でも文系でも、天才でも秀才でも凡人でも、恋愛は皆の共通テーマやしね。みんなの共通理解。ラブコメは異なる世界の人たちを繋ぐ接着剤。そうつまりラブコメは世界平和なんだよ!

とか無理矢理ラブコメに繋げつつ、次からはもう少しラブコメっぽい感想を書こうかしら…。とりあえず5巻まで出ているので。続巻読むよ。

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