『進撃の巨人』1-24巻再読感想:エレミカ最高なんだけどそれはそれとして重い

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作・諫山創。2017年24巻。

途中で単行本をおえなくなり、新刊出ては買ってたものの、どこまで読んだかわからなくなってしまってしまったのだが、思い切って最初から全読み。どうやら俺は18巻で止まっていたらしい。

ラブコメ漫画が中心のこのサイト的に、進撃の巨人はヒットでありファウルでもある。いやホームランである。エレミカがあまりにも美し過ぎた。

のだが、物語は佳境でとにかく重い。この物語、世界観、最初から考えていたんだろうか。特に今の24巻あたりは、視点変更もあって世界観そのものが語られているところがあり、ボーイ・ミーツ・ガール的にはちょいと厳しいところがある。ストーリー自体は読ませるが。。

以下1-24巻感想。

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幻滅

この漫画は実に魅力的なキャラクターが多くて、それぞれの関係もまた面白いのだけれど、個人的によく描かれているなぁと思うのは、"幻滅"の感情である。ライナーやベルトルトの裏切りが発覚したときの激昂するエレンや、シャーディス教官の過去を聞いて憤るハンジなどは、口こそ悪いもののそれは信頼の裏返しでもあり、またそれでもなお信じている何かがあるのだろうと思う。

人間にとって、幻滅は根源的な恐怖の一つだと思うのだけれど、これは非常にシリアスかつ深い関係の相手がいないとできない上、さらにその関係を壊すようなものなので、うまいこと描いている作品はあまりないような気がする。

エレミカ

とはいえやっぱり、一番素敵だなぁと思うのはもっともっとポジティブな感情なわけで。世界は残酷でも、いや残酷だからこそ、美しさが際立つ関係もあるわけで。まぁエレミカなわけで。

ミカサ「マフラーをまいてくれて ありがとう…」

エレン「そんなもん 何度でもまいてやる これからもずっと オレが何度でも」

このシーンは鳥肌だった。背後に並ぶ巨人たちや味方の悲鳴、端的に言って地獄絵図の中で輝く一撃必殺のボーイ・ミーツ・ガール。震えるほど美しい。

なので、俺は断然エレミカ派だ。エレミカ最高なんだよ。といっても、ここまで綺麗で美しいのは稀で、たいてはミカサのエレンに対する一方的かつ重すぎる愛が何かと表面化するのを見て笑うくらいなのだが、それだけでも十分に楽しめる。人がバッタバタ死んでいく世界なので、この二人のやりとりは癒やしでもあった。

ちっぽけな関係?

だがそれでも、今の展開はなかなかつらいところがある。ボーイ・ミーツ・ガールの極致は、一昔前に流行ったセカイ系的な世界観、つまり自分があって世界がある、という展開だと思うのだが、この漫画はその逆で、世界があってその中にちっぽけな自分がいる、そういう感じだ。まぁ当たり前といえば当たり前のことかもしれない。どちらかと言うと、セカイ系的な世界観のほうが異常なのかもしれない。だが、別にセカイ系に限らず、物語、特に漫画というのはたいていが主人公中心主義(主人公があって世界がある)なので、まるで歴史の教科書のように世界が語られる今の展開は、キャラクターがやけにちっぽけに感じられてしまい、しまいにアレだけ美しいと思ったエレミカ二人の関係さえもちっぽけに思えてしまうのは、なんだか寂しい。

ただこれはこれで面白くはあって、というかこの展開最初から考えていたなら天才としか言いようがないな、と思う。25巻はすげー楽しみだし、途中で読むのをやめた人は是非また読み直してほしいと思うし、すべてがわかった後もう一度読み直したいとも思う。世界が広大だからといって、そこに生きる人々の生き様がつまらないなんてことはない、むしろどこまでも広い世界の中で足掻く様に、人間の強さを感じる。

……のだけれど、なぁ。それでもやっぱり、エレミカの二人の関係にもまだ期待はしてしまうのは仕方ない。あれだけのもの見せられたら仕方ない。ボーイ・ミーツ・ガール的な浪漫の輝きは、その関係が一瞬まるで世界そのものであるかのように錯覚させられてこそと思うのだが、また、美しい瞬間を見せてくれないものだろうか。

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