『恋は雨上がりのように』6巻感想:小休止だがこの先は波乱の予感

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作者・眉月じゅん。全国のオッサンを応援するラブコメ6巻。

本巻については恋模様はほとんど進展せず、あきら個人の青春物語的な色合いが濃い。

なんかよく出来てるなーと思うのが、あきらは自分の恋心満足げだけれど、普通に見ればどう考えてもあんた恋する相手間違えてるやろの一言なんだが、話数を重ねるにつれ、この不可思議な恋に妙な説得力が感じられるというか。今回も、直接的な色恋の話ではなく、多分にあきらの内省的な話だったのだけれど、そういうところがキーなんだろうなぁ。

でもやっぱりこの漫画読むのは何かエネルギーいるわ。けっこう毎回気合い入れてから読んでいる謎。おかげで積読期間がやけに長い。以下6巻感想。

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気合いのいるラブコメ

この漫画、読むのに気合いがいるんだ。読むのに気合いがいるラブコメってなにって感じだけど、実際女子高生と中年のオッサンのラブコメとか、そんなんなかなか普通に読まれんと思うわ。ラブコメは夢を描いたものだけれど、それにしてもファンタジー過ぎる設定である。

ところが、読んでいるとこれはこれでアリなんかなぁという気がしてくる不思議。夢敗れたかつての文学青年たるオッサンは、見ているとあきらの友人じゃないが「悪い人じゃないっぽい」とは思う。味わい深いオッサンだとは思う。背景に語らせる繊細な心理描写が小憎い。丁寧だよな、すごく。歳の差恋愛をこれだけマジメに描いている漫画は、他に読んだことがないから、けっこう面白く読んでいる。

もう一つの青春

さて、今回は、あきらのもう一つの青春、陸上がフィーチャーされる。いや、むしろこちらがあきらの本来の青春である。陸上における挫折が今のあきら、また店長との関係を考えるうえで重要な要素、というかベースである。

アキレス腱断裂を経験してなお、陸上にカムバックした娘が出てきたことで、あきらが再び陸上をするという選択肢が現実味を帯びた。恋愛と部活、別にどちらか片方しか選べないというものではなかろうが、現実問題、本気で陸上をするなら、バイトだの恋だのにうつつを抜かしている場合ではないだろう。あきらは選択をしなければならぬ

陸上ともう一つ、店長とのこれまでの関わり方を、西田とのやりとりを通して振り返っている。何故好きになったのが店長なのか、あの時たまたま元気づけたのが別の人なら、その人のことを好きになっていたのか。歴史にifはないように、個人の過去にもifはない。そのことについて、あきらはわからないとしながらも、晴れやかに言う↓。

眉月じゅん, 恋は雨上がりのように, 第6巻
眉月じゅん, 恋は雨上がりのように, 第6巻

「好きになったのがこの人でよかったって…

思ってるよ。」

頬を赤らめながら、こうハッキリと、こんなに嬉しそうに語れるなら、この恋はきっと素敵な恋なんだろうさ。この漫画は、この言葉と表情に説得力を持たせるために6巻も費やされたといっても過言ではない。ラブコメはこういう丁寧さが必要よね……。

この先どうなる?

本巻では大きな動きはないけれど、先の陸上への回帰という道が開けたこと、クリスマスに向けて編み物を編み始め、また電車で店長の嫁と顔合わせするなど、次なる展開に向けての布石が打たれている。この先どうなるんだろう。

ここまで丁寧にあきらと店長の関係、それぞれの人となりが描かれ、この二人の関係性にある種の説得力は感じるようになったけれど、今なお、あまり手放しで応援できる恋でないことも確かなんよなー…。

今なお、普通に考えてあきらはこの恋をいっときの想い出にして、再び部活にのめり込むほうが、なんというか、「真っ当」だよなぁと思うし。今なら全然引き返せるし、そうするのが良いんじゃないか、と思ってしまうのが正直なところ。店長も多分、そんなことを考えているんじゃないだろうか。

しかし、あきらはけっこう頑固なところがあるし、またこの恋を多分非常に大切に思っている。だから安々と陸上に復帰、なんてことにはならんのだろうね。うーん、本巻の展開は静かだけれど、この先は波乱の予感しかないぞ。

それにひきかえ、あきらのバイト先の友人・西田の恋路なんかは非常に安心して見ていられるというか。西田・吉澤のラインはただただニヤニヤできて有難い。この二人は健全な恋(という表現がよいのかはわからんが…)という対比であろうし、同時に、あきらと西田が感情を共有しているように、見た目には違っても本質的に二人は同じことをしている、という表現でもあるのだろうか。

それでも、やっぱりこれだけの歳の差恋愛は難しさがあると思うよ。次巻も読むのにエネルギーいりそうやなぁ。

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